日本ボクシングコミッション(JBC)は19日、世界主要4団体の一つ、IBF(国際ボクシング連盟)が、8月に現役引退を表明したプロボクシング元WBC世界ミニマム級(47・6キロ以下)王者・重岡優大さん(28)に対し、名誉チャンピオンに正式に認定すると発表した。優大さんは、現在闘病中の弟で前IBF世界同級王者の銀次朗さん(25)をサポートし、ともに第二の人生を歩む決断をして、今年8月13日に現役引退を表明した。
IBFのダリル・ピープルズ会長は「あなた(優大氏)は多くの人が下すことのできない決断をしました。それはあなたの責任感、人格の深さ、兄弟愛を示すもので、あなたの選択はどんな賞賛にも匹敵しないほどの尊厳があります。また銀次朗選手は戦士であり、彼の強さと不屈の精神が再び輝きを放つことを信じています」とし、優大さんをIBF名誉チャンピオンとして正式に認定するとしている。
特別チャンピオンベルトの授与式は9月21日午前11時から、兄弟の地元である熊本県のイオンモール宇城で開催されるJBC/WBC CARES JAPANにおいて、JBCによって執り行われる予定。
同会場では「重岡銀次朗応援募金」を設立し、ゲストの元WBA世界ライトフライ級王者の具志堅用高さんがチャリティーサイン会を実施。収益金を全額寄付する。
銀次朗さんは5月24日に大阪で行われた試合後に意識を失い、急性の右硬膜下血腫のため、緊急開頭手術を受けた。現在は熊本県内の病院でリハビリを行っているが、優大さんのインスタグラムによると、8月末には一般病棟から回復期病棟に移ったという。ここから最大150日間での退院を目指す。優大さんはインスタに「銀は退院に向けて、僕はカフェのオープンに向けて。それぞれが挑戦の真っ最中ですが、同じ山を登っているような気持ちです」などと投稿。