◆JERA セ・リーグ 巨人5―4広島(19日・東京ドーム)

 巨人が広島に逆転勝ちし、2位・DeNAに1ゲーム差に迫った。初回に2点を先行されたが、2回に岡本和真内野手(29)が自身最長ブランクとなる90打席ぶりの12号ソロ。

4回には2打席連発の同点13号ソロを放った。山崎伊織投手(26)は7回途中4失点ながら、4回に決勝二塁打、6回には2点二塁打とバットで3打点。自己最多11勝目を挙げた。9回を締めたR・マルティネス投手(28)は、2013年の西村健太朗を超える球団新の43セーブ目。チームは自力2位の可能性が復活した。

 野手顔負けの痛烈な打球が、右翼フェンスを直撃した。山崎は、二塁ベース上で力強く手をたたき、喜びを爆発させた。1点リードの6回2死二、三塁。大瀬良の初球を捉えて2点二塁打。4回2死一、二塁で放った右翼線への適時二塁打から2打席連続の適時打とし、3打点の大暴れでチームを勢い付けた。

 チームがクライマックスシリーズ第1ステージの本拠地開催となる2位確保を目指す中、キャリアハイの11勝目をかけてマウンドに上がった。前回登板、11日の同戦(東京D)では6回2失点も初回に失点。

「前は先制点を取られたので、取られないように」と警戒して迎えた初回は簡単に2死を奪ったが、その後安打と四球で一、二塁と走者を背負い、坂倉に右中間への2点適時二塁打を浴びて先取点を奪われた。チームの初回失点は3戦連続、直近9試合中8度目となった。

 それでも、山崎は崩れなかった。2、3回は走者を背負いながら得点を与えず、4回にこの試合初めての3者凡退。5、6回はいずれも2死から安打を浴びたが、冷静に後続を断った。「常に1アウトでも、1人でも多く投げたいと思っている」と語っていた通り、粘り強くアウトを積み重ねた。

 山崎は7回も続投。しかし、2死一塁からファビアンに左越え2ランを浴びて1点差に迫られ、阿部監督は投手交代を決断した。11勝目の権利はつかんだが、悔しそうな表情を浮かべてマウンドを降り、救援陣に後を託した。

 8回、4番・末包からの好打順を託されたのは大勢。末包はスライダーを続けて空振り三振を奪うと、坂倉、佐々木には150キロ中盤の直球を続けて二ゴロ、中飛に仕留めた。わずか7球で中軸を封じ、つけいる隙を与えなかった。

 9回を締めたマルティネスは2013年の西村健太朗を超える球団最多の43セーブ目。3打点で自らを援護した山崎は自己最多の11勝目を挙げた。巨人は勝率5割に復帰。阪神に負けた2位のDeNAに1ゲーム差に迫った。

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