【世界陸上】森凪也「世界との差を埋めるためにはまず日本記録の更新を」予選敗退も前向く…男子５０００Ｍ (2025年9月19日)

◆世界陸上 第７日（１９日、国立競技場） 男子５０００メートル予選が行われ、各組上位８人、計１６人が２１日の決勝に進出した。森凪也（ホンダ）は第１組を走り、１３分２９秒４４の１５着で予選敗退した。残り１０００メートルまで必死に先頭集団の後方で踏ん張っていたが、残り２周から徐々に引き離され、８位通過の選手とは約１５秒差をつけられ、この種目で日本人初の決勝進出の快挙はならなかった。 「準備の段階は１００点だったと思っています。日本選手権（７月）が終わってから、課題が明確になった中で、そのための強化施策、いい準備を迎えられた。実力だけが足りなかった。実力通りだと思うので、逆に言えば実力は出せたかなという風に思っています」とレースを振り返った。 世界陸上に向けては「スピードだったり、スプリントの能力がやっぱ足りないなっていう風には思ったので、８月はヨーロッパの方で１５００メートルに出場しました」と準備。 「チームスタッフと相談しながら５０００で記録を狙ってポイントの上積みを狙うのか、それとも割り切って出場しない覚悟か、もしこれで自分が５０００メートルの試合に出場しなくて、ほかの各国の選手、日本の選手が上回った時に自分は（世界陸上に）出られなくなるんですけど」とかまわず自身の課題克服を優先してきた。 その後は、コンディションが順調のまま長野で高地合宿を行った森。「日本選手権（７月）前はボリュームをやりすぎていた部分があったので、質の高い練習をやろうと決めて。標高が高すぎるところにいると、あまり質が追えない。なので（あえて）標高を降りたりした。逆に簡単な練習では標高の高いところでやったりとか、使い分けをしてこのレースに向かってきた。だから、準備の部分では言うことがなく、これ以上やれることはないぐらいでスタートラインに立てた。そこはすごい良かったかな」と納得した表情でこれまでの歩みを振り返った。 今後については「まずは日本記録の更新を。記録を向上させないと、世界との差は埋まっていかない。これが世界陸上を終えた中で、責任感というか、自分の中で芽生えてきたもの」と前を向いた。