◆JERA セ・リーグ 中日5―2巨人(21日・バンテリンドーム)
巨人は中日に敗れ、自力2位の可能性が再び消滅した。初回に4連打で2点を先行したが、追加点を奪えず逆転負け。
試合開始直後から立て続けに快音が響いた。1番・丸が4球目を中前、キャベッジが2球目を左前、泉口が初球を右前に運び無死満塁。岡本も2球目を右中間に運んで2点二塁打だ。相手先発・大野の立ち上がりを攻めて先頭から4連打。電光石火の先制攻撃に、この回は何点入るのかと期待が高まった。だが、喜びもつかの間だった。
さらに無死二、三塁で内野は前進守備。岸田が遊ゴロ、中山が三ゴロで走者は動けない。「初回あの二、三塁で1点も入らなかったのがね。
今季を象徴する展開だったと言えるかもしれない。日米通算200勝を目指す田中将が2回までに3失点して逆転を許すと、打線は反撃できず。中日を上回る2ケタ10安打を放ちながらも、2回以降は本塁が遠かった。初回の得点は31試合目だが、そのうち14試合が2回から5回まで無得点。中押しできず、主導権を握れそうで握れない。シーズン通しての課題で、波に乗りきれない要因の一つだ。
17日からヤクルト2連戦(神宮)、広島2連戦(東京D)、中日戦(バンテリン)と続いた変則5連戦は3勝2敗で幕を閉じた。18日は最下位のヤクルトに完封負け。
勝ったDeNAとは2ゲーム差となり、再び自力2位の可能性が消滅した。連勝は2で止まり、勝率5割に逆戻り。7月以降、貯金1で迎えた試合はこれで1勝9敗となり、複数貯金チャンスで足踏みが続く。泣いても笑っても残り6試合。細かい走塁ミスもあったが、前を向いて全員で立ち向かうしかない。先日、阿部監督は「先発投手が厳しい状況だから。何とか打って返していくしかない」とも話していた。打順は固定されつつある。2位確保には攻撃陣のさらなる奮起が必要だ。(巨人担当キャップ・片岡 優帆)