◆JERA セ・リーグ 中日5―2巨人(21日・バンテリンドーム)

 初回、いきなり丸からの4連打で2点を挙げた巨人。素晴らしい攻撃で、普通ならば、とても大きな先制点になるはずだった。

だが、さらに無死二、三塁で追加点を奪えなかった。相手も必死に防ごうとするし、簡単なことではないのだが、幸先良く取った2点なのに、2点しか取れなかったという感じになり、重苦しいムードを作ってしまった気がする。せめて、あと1点あれば全く違った流れになったはずだ。

 その重苦しさがマー君に伝わってしまう。自らの200勝もそうだが、シーズン最終盤の大切な試合でマウンドに上がる責任感で慎重になったせいもあるだろう。上林に1ボールから、石伊にも2―1から本塁打を浴びた。ていねいに行こうとするあまり、投手有利のカウントを作れないままに、逆転を喫した。

 一方、田中将と同学年の大野は、立ち上がりこそファーストストライクを痛打されたが、2回以降はリズム良く6回まで投げ切った。巨人の攻撃が淡泊に見えたかもしれないが、大野がストライクを先行させた結果がもたらしたものだ。

 マー君には、もう一度先発の機会があるだろう。4、5回のようなテンポのいい投球ができれば、チャンスはあるはずだ。(野球評論家・清水 隆行)

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