パ・リーグ 日本ハム7―2ロッテ(21日・エスコンフィールド)

 捕手のサインに2度うなずき、自慢の直球を投げ下ろした。日本ハム・福島蓮投手(22)は5回2死一塁、寺地を中飛に仕留め、表情を変えずにマウンドを降りた。

5回5安打2失点で5勝目を挙げ、チームは首位・ソフトバンクに2・5差に接近。「2回以降は毎回出塁を許し、結果的には納得いかない」と5回降板を悔やんだが、開幕から無傷の5連勝として開幕6連勝を達成した達に続き、球団では15年の大谷&吉川以来、同一シーズンで開幕5連勝投手が2人となった。

 新庄監督の秘蔵っ子だ。指揮官が監督就任した21年の育成ドラフト1位で入団。昨年3月に支配下登録された際には「これが似合う大スターになって」とボスが着用していた約80万円の高級スーツを贈られた。同年に日本ハムの育成出身選手初となる白星を挙げるなど、新庄ハムとともにステップアップしてきた。

 身長194センチの達とは同期で同学年。ドラフト1位入団の有望株右腕は、今季7勝を挙げて新人王候補にまで飛躍した。育成からはい上がった身長190センチの福島は「刺激になっている。(昨季から)7連勝はすごいなと思いながら、僕も投げたい」とライバル視する。高身長の先発右腕同士の切磋琢磨(せっさたくま)も、日本ハムのチーム力アップに一役買っている。

新庄監督真剣勝って勝って 新庄監督は試合後、走塁ミスで敗れた首位・ソフトバンクの結果を確認した後で会見場に現れ、「怖いですね。

一つのミスは」とつぶやいた。続けて「もう今後あんまコメントないっすよ。とにかく勝って勝って勝ちまくって誰が活躍しようが関係ない」と、リップサービス一切なしの真剣モードを強調した。連勝で残り8試合。奇跡の逆転優勝へ、明日なき戦いは続く。(川上 晴輝)

【記録メモ】 日本ハムは先発の福島が無傷の5連勝。今年は同僚の達も開幕から6連勝しており、シーズンに複数の投手が開幕5連勝以上を記録した球団は、今年3人の巨人(山崎と大勢5連勝、グリフィン6連勝)以来。日本ハムでは15年に大谷翔平7連勝、吉川光夫5連勝と2人がマークして以来、10年ぶり。

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