◆米大リーグ ロイヤルズ5―8ブルージェイズ(21日、米ミズーリ州カンザスシティー=カウフマンスタジアム)

 ブルージェイスが21日(日本時間22日)、敵地でのロイヤルズ戦に勝利。90勝66敗で2年ぶりのプレーオフ進出を決めた。

近年は優勝候補に挙がりながら、昨年は74勝88敗でア・リーグ東地区最下位に沈んだブ軍が復活。昨年日本ハムで現役を引退、2022年に在籍したブ軍のベースボール・オペレーション補佐に就任し、作戦や調査、分析などを担った加藤豪将氏に強さの秘密を聞いた。

 「メジャーでプレーした時間は短かったので、比較は難しいですけど、ストラクチャー(組織の構造)が生まれたと感じます。結果が出なくても、例えばバッティングなら、いい打席、いいスイングを求めることに集中して、試合に臨むという個性が出てきた」

 ポプキンス新打撃コーチが就任。打席の質向上を重視し、一発狙いより、出塁を目指した。走者を得点圏に進め、確実に返す、状況に応じた打撃を象徴するのが、スプリンガーだ。バットスピードは昨年の71・9マイル(約115・7キロ)から73・7マイル(約118・6キロ)に上昇。バレル率(=長打性打球率)もアップ。ハードヒット率47・3%はキャリアハイになった。ゴロ率は49・8%から38・4%に減った。

 「4月、5月と結果が出なくて苦しかったけれど、チームの考え方がしっかりしていたので、軸が出来たのは、大きいと思います」と加藤補佐は、打者の心構えに着目する。

 5月28日には首位に最大8ゲーム差がついたが、ブレない哲学がチームを軌道に乗せていった。

後半戦の打率3割3分3厘のゲレロ、18本塁打94打点のビシェットらも絡んだ。

 一方で昨年、防御率&奪三振率でメジャー29位と苦戦した中継ぎには、ホフマンとガルシアが加入。ロドリゲス、リトルも安定し、延長戦では10勝4敗と強さを見せた。7月にはガーディアンズから先発ビーバーを獲得、夏場の補強にも成功した。トレード会議にも参加した加藤補佐は「今まで見られなかった部分が見れました。選手側の立場から見る野球とは少し違っていて、フロント側がどう野球を捉えているのか、コーチ陣がどういう風にシーズンに臨んでいるのか、色んな目線があることが分かりました。どうすればチームがもっと良くなるのか、色んな角度から考えるのはとても楽しかったです」と振り返る。

 次に目指すは、2015年以来7度目のア・リーグ東地区優勝。日本人スタッフは、縁の下の力持ちとしてチームの躍進を支えている。

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