今季ここまで89試合で56勝30敗3分けの巨人3軍の現状を、駒田徳広3軍監督(63)が総括。3軍選手の2軍戦参加で生まれる指導上のメリットを解説し、3軍トップ11本塁打の育成ドラフト6位・竹下徠空(らいあ)内野手(18)に伝えた“真の4番打者像”を明かした。
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8月は大学チームと20試合行い、2軍並みの日程で戦いきれるかという良い試しの期間となりました。9勝10敗1分けでしたが、ドラフト上位で指名の可能性もある早大や明大のエース級とも対戦し、2軍に選手を供給しながら残された戦力であれだけの戦いができたことは良かったと思います。
2軍を経験した選手が、「これじゃダメなんだ」と感じ取れていることは大きなプラスです。2軍からの助言というのは、極端に言えば「速い球がまだうまくさばけないね」といった一言で終わりです。そのように単刀直入に課題を伝えられることが最も大事です。我々も課題を理解していますが、3軍で打率3割の状態で伝えても「うるさいなあ」で終わってしまうものが、自分で気付いたタイミングでなら指導を進めることができます。
竹下は2軍戦で2打数2安打と結果が出たことで、今後の目標がぼやけてしまわぬように神経を使って観察、助言をし、時には叱りながら取り組んでいます。8月上旬からは4番で起用し、「いい4番打者は率先してバットを振るし、声も出す。守備もダッシュ1本でも一生懸命にやる。『走者を置いて俺に回せ』と言っているのは最下位の4番。巨人でそんな選手になられたら困る」と伝えてきましたが、気持ちの緩みが見られたので次戦からは7番を打たせる予定です。
ずっと4番を打たせるには少し荷が重かったかな…という反省は僕もしています。