◆第59回スプリンターズS・G1(9月28日、中山競馬場・芝1200メートル)
秋のG1シリーズ開幕戦、第59回スプリンターズS(28日、中山)で、3月の高松宮記念を制したサトノレーヴが史上6頭目となる同一年の春秋スプリントG1連覇に挑む。1週前追い切りで仕上がりを確認したジョアン・モレイラ騎手(41)=ブラジル=は「状態はかなりいい」と手応え十分。
再来日はサトノレーヴと春秋スプリントG1制覇を狙うためと言っていい。今春にG1・3勝と旋風を巻き起こしたモレイラが、スプリンターズSで今年4度目のマジックを披露する。
王座防衛に挑む6歳馬とは5戦連続6度目のコンビ。知り尽くしているからこそ、仕上がりの良さが手に取るように分かる。19日に美浦・Wコースで行われた1週前追い切りでは先行した2頭を一瞬で抜き去り、ラスト1ハロンは10秒7(5ハロン64秒8)。水を含む馬場で度肝を抜くタイムを叩き出した。またがった鞍上は「仕掛けた時の反応がすごくいいし、動きを含めてすごく良かった。状態はかなりいい」と絶賛した。
最高潮の出来に加えてパワーアップしてリベンジの舞台へ。レーンが騎乗した昨年は函館スプリントS、キーンランドCと重賞を連勝して臨んだが1番人気で7着。映像を見たモレイラは「そこまでいいスタートを切れなかったし、前有利の馬場でペースも速かった」と、いくつものマイナス要素が重なったと分析する。
今春は高松宮記念、桜花賞(エンブロイダリー)、皐月賞(ミュージアムマイル)を制覇。開催9日で23勝と圧倒的な存在感を示した。「勝率も高かったが、何よりもG1を3つ勝つことができたのが大きかった」と充実の春を振り返りつつ「いつもどおりに一つでも多く勝てるように頑張りたい」と目の前の勝利を貪欲につかみにいく姿勢だ。
今回の短期免許での騎乗初日にはチャレンジCでオールナットを重賞初制覇に導き、相変わらずの勝負強さを見せつけた。最終日の中山でも世界レベルの手綱さばきで喝采を浴びる。(浅子 祐貴)
◆24年スプリンターズS・VTR 重賞2連勝中で、レーンの2戦連続騎乗だったサトノレーヴが単勝3・0倍の1番人気に推された。スタートで立ち遅れると、先行した前2走とは異なり、道中は中団追走。直線でも前をとらえるほどの伸びがなく、早め先頭から押し切ったルガルから0秒4差の7着に敗れた。芝1200メートル8戦目で初めて連対を外す結果に。
◆ジョアン・モレイラ(Joao Moreira)1983年9月26日、ブラジル出身。41歳。2000年にブラジルで騎手デビュー。その後はシンガポール、香港を拠点に世界中で活躍。14年6月にJRA初騎乗、15年8月の札幌で初勝利。JRA通算743戦223勝。重賞はG1・5勝を含む18勝。16年8月27、28日に武豊の記録(当時)に並ぶ騎乗機会7連勝を達成。