◆米大リーグ ダイヤモンドバックス5×―4ドジャース(23日、米アリゾナ州フェニックス=チェースフィールド)

 大谷はやはり登板を重ねるごとによくなっているね。復帰してから最長イニング、最多投球数となったが、この日が1番いいフォームで投げていた印象だ。

いい意味で力感はないが、直球には球威があり、打者は多くが差し込まれていた。

 徐々に先発として長いイニングを投げるようになってきて、打者をよく見て投げるクレバーさもしっかりと戻ってきている。大谷の決め球と言えば大きく曲がるスイーパーで、本塁打を量産するスラッガーのようにガンガン振ってくるタイプには有効。だが、Dバックス打線にはペルドモやマルテなど左のアベレージヒッターが多い。そこで高めのカットボールをうまく使っていた。目線を上げさせられたから、大きく曲がり落ちるカーブが効いた。

 ポストシーズン(PS)へ向け、救援陣の不安定さが気がかりだが、明日なき戦いでは調子のいい投手をどんどん使うし、先発から配置転換となって、はまる投手も出てくるもので、立て直せる要素はある。その意味でも、大谷は許された球数でしっかりと試合を作りきったことが最高の材料だね。(野球評論家・髙橋 尚成)

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