◆米大リーグ ダイヤモンドバックス4―5ドジャース=延長11回=(24日、米アリゾナ州フェニックス=チェースフィールド)
ドジャース・佐々木朗希投手(23)が24日(日本時間25日)、敵地・ダイヤモンドバックス戦でオープン戦と米マイナー戦を除いて自身初のリリーフ登板を果たした。2点リードの7回から2番手でマウンドに上がり、1イニングを2奪三振でパーフェクトに封じた。
今季の残りは救援として起用される見込みだが、右腕は連投や中1日での登板について問われると、「コンディション的にはいけると思う。ただ、その、色々、体の違いだったり、もちろんその間隔を開けてる時と詰まってる時でパフォーマンスも変わってくると思う。変化出た時にどう対応できるかってところが大事なのかなと思います」と話した。
先頭の6番マキャンに対し、初球は99・1マイル(約159・5キロ)直球でストライク。2球目のスプリットで三ゴロに仕留めると、7番タワは99・1マイル直球で見逃し三振。8番バルガスへの初球にはこの日最速の99・8マイル(約160・6キロ)を計測し、最後はフルカウントからの6球目、99・5マイル(約160・1キロ)直球で空振り三振を奪った。ベンチに戻ると、ロバーツ監督をガッチリ握手を交わした。13球のうち、7球を投じた直球の平均球速は99・2マイル(約159・6キロ)。1イニングながら、マイナー登板を含めても渡米後最も速い平均球速だった。
メジャー1年目の朗希は開幕から先発ローテの座をつかみ、開幕2戦目の東京Dで行われたカブス戦でデビュー。8試合に登板して1勝1敗、防御率4・72をマークしていたが、日米通じて自身初の中5日で先発した5月9日(同10日)の敵地・ダイヤモンドバックス戦を最後に、右肩痛を訴えて負傷者リスト(IL)入り。長期離脱となっていた。
8月には3Aで実戦復帰したが、先発では5試合で0勝2敗、防御率6・75と調子が上がらなかった。ドジャースは大谷翔平、山本由伸ら先発陣が充実していたこともあり、朗希を今季限定で救援に転向させることを決断。右腕は今月18日(同19日)、21日(同22日)に3Aでリリーフ登板し、2試合連続で1イニングを無安打無失点に封じ、昇格テストをクリアしていた。
一時は今季中のメジャー復帰も危ぶまれたが、役割を変えてでも「そういった環境でしか経験できないこともある」とチームに貢献したい気持ちが強かった朗希。ド軍のブルペンは厳しい状況で、前日23日(同24日)のダイヤモンドバックス戦でも1点リードの9回に守護神スコットが2失点して逆転サヨナラ負け。この日まで9月の10敗のうち、救援投手に黒星がついたのは8度目、サヨナラ負けは4度目だった。この日も3点リードの8回にベシア、エンリケスが3失点して一時は追いつかれたが、9回には今季限りでの現役引退を発表している通算222勝左腕のカーショーが6年ぶりに救援登板し、1イニングを3者凡退に封じるなど延長11回の総力戦を制して4年連続の地区優勝に向けてマジックを「1」とした。
ポストシーズンは30日(日本時間10月1日)からスタートする見込みだが、復帰したばかりの新人の朗希に救世主の期待がかかっている。