J1鹿島は17日、第35期定時株主総会を開催し、2025年度の決算概要を報告した。売上高は81億7300万円となり、クラブ歴代最高の数字となった。

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 メディア向けの決算報告説明会に出席した小泉文明・代表取締役社長が、Jリーグ主催で26~27年シーズンに新設され、11クラブが参加する「U―21リーグ」への参戦を見送った理由について言及した。

 同リーグは、出場機会に恵まれない若手選手の育成・強化を目的に、21歳以下の選手を主な対象とする新規大会。今夏に開幕し、東西に分かれてリーグ戦を行う。初年度は浦和、FC東京、東京V、川崎、清水、磐田、名古屋、G大阪、神戸、岡山、長崎の11クラブが参加を表明。磐田を除く10クラブがJ1在籍チームとなっている。

 若手選手の貴重な実戦機会として期待されるが、ユース世代を含めて将来有望な若手が多く所属する鹿島は初年度の参戦見送りを決めた。

 背景には、チームの選手保有人数を抑えたい狙いと、昨季3冠を達成したユースチームの充実があった。小泉社長は「選手数を多く保有し、2チーム分を運営していくというよりも、(選手数を)絞った上で、(けが人などでトレーニングの人数が足りなくなれば)ユースの子を上げていくという形にしたかった」とし、保有人数の拡大を避け、トップチームの活動に遜色なく参加できるユース人材を積極的に“登用”していく方針を明かした。

 その上で、若手のプレー機会増には下位カテゴリーへの期限付き移籍を推進していく構え。U―21リーグよりも、下位カテゴリーへの“武者修行”の方が選手の成長を加速させることができるという考えから「(レンタル先で)しっかりと勝負して、成長して帰ってきてくれる方が僕らとしてはいいのかなというところ」とした。

 U―21リーグに参戦する11クラブは、育成型の期限付き移籍市場から事実上撤退するとみられる。鹿島としてはライバルが減る形となり、保有元、移籍先、選手自身の三者が望む形での移籍が実現しやすくなるメリットもありそうだ。

 また、筑波大、流通経済大など、周辺にトレーニングマッチが組みやすい強豪の大学サッカー部があることも追い風となったという。

 参戦、参戦見送りのどちらが正解というものではなく、選んだ道を正解とする、各クラブの“成長戦略”が重要となる。小泉社長は「クラブによって、戦略にグラデーションは出ると思っている。鹿島としてもフレキシブルに考えていきたい」と見据えた。(岡島 智哉)

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