日々の買い物で感じる値上げは、単なる家計の圧迫にとどまらない。食卓の中身そのものが変わり始めている。

健康を支えるはずの食事が、経済状況によって左右される現実が、調査データから浮かび上がった。

 株式会社サルベストロールジャパンが、世帯年収850万円以下で自炊を行う20~60代の既婚・同居世帯を対象に実施した調査によると、食料品の価格上昇を実感している人は95.9%に達した。内訳は強く実感しているが74.0%、やや実感しているが21.9%で、ほぼ全ての家庭が影響を受けている。調査は2026年2月24日から26日にかけて、インターネットで1005人を対象に行われたもので、サルベストロールジャパン調べとして公表されている。

 価格上昇の影響は、購入行動にも及ぶ。野菜や果物の購入を控えたとする回答は約7割に上り、とても控えたが19.6%、やや控えたが51.3%だった。本来、栄養バランスを整えるうえで重要とされる食品が、節約の対象になっている状況が見て取れる。

 一方で、栄養バランスを意識している人は76.1%に達する。しかし、物価高の影響で栄養が取りにくくなったと感じる人は約6割に上り、とても感じるが13.1%、やや感じるが47.9%となった。意識と実態の間にずれが生じていることが、この結果から読み取れる。

 将来への不安も広がる。生活習慣病や栄養不足、家族の健康などについて、約6割が懸念を示した。

日々の食費を抑える中で、十分な栄養を確保できているのかという疑問が、各家庭に共通して存在しているとみられる。

 こうした状況を受け、求められているのは公的支援だ。食料品の減税が必要と答えた人は80.8%に達し、とても必要が43.8%、やや必要が37.0%だった。現金給付や商品券よりも、日常的な支出を直接軽減する施策への期待が高い傾向が示された。

 物価の上昇は、選択の自由を徐々に狭めている。健康を維持するための食事が、個人の工夫だけでは補いきれない領域に入りつつある。食卓の変化は静かだが、その影響は確実に広がっている。

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