日本相撲協会は27日、大相撲夏場所(5月10日初日、東京・両国国技館)の番付を発表し、熱海富士(23)=伊勢ケ浜=が新関脇に昇進した。静岡県出身の新関脇は1930年夏場所の天竜以来96年ぶりとなった。

琴勝峰(26)=佐渡ケ嶽=も新関脇に昇進。新入幕から所要35場所で史上10番目のスロー出世になった。若ノ勝(22)=湊川=が新入幕。先場所優勝で12場所ぶり大関復帰の霧島(30)=音羽山=は東に座り、2021年春場所以来の2横綱3大関となった。

 熱海富士がまた一つ、故郷の歴史に名を刻んだ。静岡県出身では天竜以来、96年ぶりの新関脇に「うれしい。さらに一つ上に上がったなという実感と、まだ上を目指して頑張ろうという気持ちでいっぱい」と表情をほころばせた。昭和以降で県勢の最高位に並んだことには「地元の皆さんも、そうやってまた何か話のネタになってくれたらという気持ち」と謙虚に語った。

 今年1月の初場所で12勝を挙げ、優勝決定戦では敗れたものの、新小結に昇進した。先場所は初の三役で9勝6敗と奮闘。「勝ち越せて良かったけど、まだまだ全然課題がある。前に出る相撲もあったけど、それ以上に自分の中でやりたいことが増えた」。

満足はしていないが、1横綱2大関を撃破。187センチ、197キロの恵まれた体格を生かして前に圧力をかけ、上位と渡り合える力を証明した。

 26日に全日程を終えた春巡業は三役として初めて回った。ご当地の静岡・三島市など27か所を巡り「声をかけられることが増えた。新三役になったので『おめでとう』と言ってくださる方もたくさんいた。うれしい気持ちもあるけど、もっと頑張んなきゃなという気持ちもある」と期待の大きさを肌で感じた。巡業では積極的に申し合い稽古に参加。さまざまな相手と胸を合わせ、汗を流してきた。

 この日の会見には地元メディアも多く駆け付けた。次は県勢初賜杯、最高位更新へ期待は高まる。「やることは変わらない。みんな頑張っているので(初優勝が)自分じゃなくてもいいけど、僕は僕で全力で優勝を目指して、大関・横綱目指してやっているので。

それで結果がついてくればうれしい」。夏場所で2ケタ勝利を挙げれば、大関昇進への起点にもなる。23歳の新関脇は、静かに闘志を高めた。(林 直史)

 ◆出身地別優勝回数 都道府県別で最多は北海道の120回。東京都が48回、青森県が38回で続く。海外ではモンゴルが104回。優勝力士を輩出していないのは11府県で宮城県、福井県、岐阜県、静岡県、滋賀県、京都府、和歌山県、島根県、徳島県、宮崎県、沖縄県。

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