俳優で脚本家、演出家の宅間孝行が主宰する演劇ユニット「タクラボ」の新作舞台「LOVEHOTELに於ける情事とPLANの涯て」が2日、東京・中野のザ・ポケットで開幕した。

 「くちづけ」や「あいあい傘」などで知られる演劇プロジェクト「タクフェス」を率いる宅間が、「自分の原点といえる小さな劇場で、『タクフェス』ではやれないような挑戦的な作品をやってみたい」との思いから2023年にたち上げた「タクラボ」の第5弾。

自身が監督して19年に公開された同タイトルの映画を舞台化した。

 「くちづけ」のように、舞台を映像化したことは過去の作品では経験があったが、逆パターンは初めて。「ラブホテルで風俗嬢を呼んで楽しんでいた警察官の部屋に妻が押しかけ、問答の末に風俗嬢を殺してしまい、事件をもみ消すために右往左往する」というワンシチュエーションでの物語は、いかにも舞台向きといえるが、宅間は当時、舞台化することは考えていなかったという。

 「何か『とんがった』映画を作りたいと思った時に、当時はやっていたワンカット作品を『自分ならどう作る?』という思いで作った作品でした。演劇にすることは意識していませんでしたが、『舞台でもやってほしい』という声があって実現した形です」

 小劇場での上演ということもあり、出演者は少数精鋭。宅間に加えてハマカーン浜谷健司阿部力の男性陣はおなじみの顔ぶれ、女性陣はタクフェスで23年に再演された「晩餐」に出演した森迫永依と、初出演となる元NGT48の本間日陽の計5人による濃密な会話劇となる。今回は特に「女性キャストがポイント」という。

 「永ちゃん(森迫)も日陽も、『違う顔を見せてほしい』という思いです。2人とも役柄とは違うタイプ(の女性)だけど、それぞれの役をどうやって演じるのか。そこが楽しみですね」

 特に、”宅間組”初参加の本間は、稽古で必死に食らいつく姿が印象的だった。舞台上の立ち位置などを確認する時の振る舞いなどから、宅間にもそれが伝わってきたという。「8割のキャストは座って話を聞いているけど、日陽は立って、その場所まで行って確認する。

言わなくてもそれがちゃんとできているんです」と頼もしく感じているようだ。

 出演が決まった際、宅間は「私と、ハマカーン浜谷、阿部力の男連中がクズなのはさておき、あの森迫永依と本間日陽も相当なクズ。あ、勿論、役のお話です」とコメントしていたが、舞台上ではその言葉通り5人がひたすら「クズ合戦」を繰り広げる。何が一体真実なのか、そして最後に笑うのは誰なのか? 一瞬たりとも気が抜けない約2時間に注目だ。

 7日まで同所で上演。9、10日に名古屋・メニコンシアターAoi、15~17日には大阪・近鉄アート館でも上演される。また5、6日には「番外編」として、「事件が起きていた部屋の隣で繰り広げられていた女子会」という設定で若手女優9人が出演する「女子会はLOVEHOTELで」が上演される。(高柳 哲人)

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