◆第31回NHKマイルC・G1(5月10日、東京競馬場・芝1600メートル)

 スペイン語で“夜明け”という思いを込めた愛馬に、平地G1初勝利を託す。エコロアルバ(牡3歳、美浦・田村康仁厩舎、父モズアスコット)を出走させる“エコロ軍団”の原村正紀オーナーは、今年で馬主10年目。

中山グランドJでJG1・3連勝を達成したエコロデュエルを筆頭に所有馬が活躍中だ。「田村厩舎や牧場も含めて関わっている方々に一生懸命、熱心にやってもらっている。本当に皆さんに感謝しています」と、チーム一丸での勝利に意欲を見せる。

 アルバとの出合いは25年5月の千葉サラブレッドセール。写真でチェックはしていたが、実際に見るとさらに評価は高まった。「歩きが良くてしなやかだったし、馬体や毛づやを含めて雰囲気が良くて。いいなと思った」。7000万円で落札したモズアスコット産駒は、期待通りの走りで同年7月の新馬戦、サウジアラビアRCを連勝。直線で見せるダイナミックなフォームはスケールの大きさを醸し出す。

 大きな期待を抱いて挑んだ朝日杯FSは大外に持ち出して末脚にかけたが4着。内を選択した上位2頭にうまく立ち回られる形となったが、「勝負は時の運」と前を向く原村氏。今回は同G1以来となる4か月半の休養明けになるが、4月30日の美浦・Wコースでの1週前追い切りは横山和生騎手が騎乗して5ハロン65秒6―11秒1、6日は65秒1―11秒1とともに豪快な動きを見せている。

「手前の替え方やスイッチの入れ方がスムーズになってきた」。以前と比べて操縦性も高まっている。

 悔しさも前に進む原動力になっている。24年のNHKマイルCは、ニュージーランドTで平地重賞初制覇をもたらしたエコロブルームを送り込む予定だったが、直前のアクシデントで出走回避。大舞台に立つことはできなかった。「辛抱することを経験させてくれて、器を大きくさせてもらった。ブルームには馬主として逆に成長させてもらいましたよ」。プラスの発想に転換できたことで、24年16勝から25年は24勝、今年もすでに11勝(5月3日現在)と右肩上がりに成績を伸ばす要因になっている。

 「将来的に種馬にしたいと思っていますし、本当に(平地G1を)取りたいですよね」。アルバとともに挑む3年越しの府中で、“エコロ軍団”の新たな歴史を築く。(浅子 祐貴)

 ◆原村 正紀(はらむら・まさとし)1966年12月6日、栃木県生まれ。59歳。

2000年に健康・美容分野のオリジナル商品を開発する株式会社エコロ・インターナショナルを設立。16年には販売する製品全ての品質が優れていると認定され「国際グランプリ最優秀賞」を受賞。出身地の栃木県真岡市内の学校や東南アジアへの寄付、地域の神社に奉納するなど、地域貢献や慈善活動にも取り組む。17年に馬主免許を取得。24年に東京馬主協会の理事に就任。主な活躍馬はエコロデュエル(25、26年中山グランドJ、25年中山大障害)、エコロヴァルツ(23年朝日杯FS2着)など。

編集部おすすめ