現在、東京・歌舞伎座の「團菊祭」(27日千秋楽)で襲名披露中の尾上左近改め3代目尾上辰之助(20)が、開幕してからインタビューに応じた。実際に襲名してみて何を感じ、どんなことを考えるようになったのか。

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 初日(3日)の「対面」、花道から出た時の大きな拍手にものすごい熱気を感じました。今月は終日、歌舞伎座にいます。体力的なしんどさもありますが、あの拍手のおかげで、頑張れています。

 「対面」の五郎は、初日に「荒事を得意とする祖父、父を意識し過ぎると、自分の全力を見せることができない」と思った。父からも「お前がやるなら、二枚目でかわいげのある五郎を」と言われました。自分に合った荒事の形を見つけたいです。

 父が後見をつとめると聞いた時には内心、「勘弁してよ」と思いました。そんなことは父に直接言えませんが。安心感の一方で何とも言えない、複雑な気持ちがあるのも事実です。8代目尾上菊五郎のお兄さんからは「飛ばし過ぎて声をつぶさないように」と。市川團十郎のお兄さんからは「助六」で演じる福山かつぎで、江戸弁の間(ま)を教えていただきました。

 身長165センチで体重は50キロです。

胃袋が小さいので、なかなか体重が増えません。祖父、父と違って、自分は体質的にお酒は弱く、おいしさもよく分かりません。いまは家に帰るとご飯を食べて、その日の自分の芝居を反省したら、すぐに寝てしまいます。

 化粧が好きで「声を高くするなら、顔も柔らかく」など、その日の気分で化粧を変えています。楽屋で一番、落ち着く時間です。

 (市川染五郎、市川團子と)「染團辰」と言っていただけるのは、ありがたいことです。團子ちゃんとはまだ共演していないので、早く実現したい。これから、市川新之助さん、尾上菊之助さんとも共演する機会も増えるでしょう。楽しみです。「染團辰」も「令和の三之助」も、お客様に喜んでいただければと思います。

 天国にいる祖父は名前が復活して喜んでくれているかな。祖父(22年)も父(11年)も、辰之助時代が短かったので、自分は少しでも長く「辰之助」であり続けたいと思っています。

 ◆尾上 辰之助(おのえ・たつのすけ)。本名は藤間大河。2006年1月20日、東京都生まれ。20歳。09年10月歌舞伎座「音羽嶽だんまり」で初お目見得。14年6月歌舞伎座「倭仮名在原系図 蘭平物狂」で3代目尾上左近を名乗り初舞台。憧れの演目は「坂崎出羽守」「暗闇の丑松」。曽祖父は2代目尾上松緑、祖父は初代尾上辰之助(3代目尾上松緑追贈)、父は4代目尾上松緑。屋号は音羽屋。

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