サッカー北中米W杯(6月11日開幕)に臨む日本代表に選出されたMF田中碧(リーズ)が27日までにスポーツ報知の単独インタビューに応じ、自身2回目のW杯へ思いを激白した。今季は世界最高峰の英プレミアリーグで26戦2得点。

1~3月に7試合連続出場なしの苦境を「不死鳥」の精神で終盤は主力に復活した。2大会連続ゴールを狙う。また、W杯の背番号が発表され、負傷で選外となった幼なじみの三笘薫(ブライトン)の「7」を背負うことが決まった。(全2回の2回目。取材・構成=星野浩司)

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 1~3月に7試合連続出場ゼロのどん底を味わった田中。リーズの試合を紹介するYouTubeで見つけた「田中碧は不死鳥。何度でも蘇る』とコメントに背中を押された。4月5日のFA杯準々決勝ウェストハム戦で4か月ぶりに先発し、先制ゴールで勝利に導いた。

 その後はリーグ最終戦まで7戦連続先発し、残留に貢献。加入2年。ホームで先発したリーグ戦は23勝2分けと無敗だ。「うれしい」と笑顔を見せ、自身の変化を口にした。

 「今まで上を目指して、自分に厳しすぎた。でも、プレミアリーグでビッグ6(強豪6チーム)の選手でさえ悪い試合もあるのに、ここで毎試合いいプレーができたら、みんなバロンドール(世界年間最優秀選手)だよ。ここで90点、100点のプレーができる日があったら最高だし、30点の日もある。ここで戦えている自分にちょっと優しくしようと思った。十分頑張れてる。俺は難しいことを簡単そうにプレーするから、自分の価値は分かりにくいけど、それでも良いと思えてる」

 今季のベストゲームを問うと、田中ならではの答えが返ってきた。

 「俺ってけっこう人と基準が違う。周りに良いプレーだったと言われても自分では全然良くなかったり、悪いと言われてもめちゃくちゃ良かった時もある。今年の自分のベストゲームは、俺が後半15分にボールを奪われて失点したアウェー・ボーンマス戦(4月22日、2△2)。あの1シーンだけ悪かったけど、それ以外はパーフェクト。監督も『ナイスゲーム』と言ってた。俺がいなかったらもっとやられてた。

ホーム・アストンビラ戦(1△2)も前半23分にイン、後半26分にアウトしたけど、めっちゃ良かった。結果は悪くても、自分の中で評価が高い試合はけっこうある」

 世界最高峰のプレミアリーグは「毎日がW杯や欧州CLを戦っているようなもの」とレベルの高さを痛感している。

 「世界的に知られてるアーセナルのデクラン・ライス、マンチェスターCのハーランドやドク、チェルシーのカイセドやジョアン・ペドロとか、想像してた通りにちゃんと良選手だからビックリしない。それ以外も、ブライトンのファンヘッケ、アストンビラのキャッシュ、マンCのセメニョ、リーズで俺とボランチを組むアンパドゥとか世間的に知られてない選手もすごい」

 昨年12月のチェルシー戦。右足の弾丸ミドルで決めたプレミアリーグ初得点を「映像でたまに見るけど、シュートがハンパなく速い。あれは止められない」と自画自賛する。ボランチながら、プレミアリーグの日本人歴代得点数でトップ3に入る野望がある。

 「早く6点を超えたい。1位が(三笘)薫さんの23点、2位が岡崎慎司さんの14点、3位が(吉田)麻さん、(南野)拓実くん、香川真司さんの6点。俺は今は2点で、これを7点にしたい。試合数はリーグにいれば稼げる。でも、どれだけ試合に出ても点を決めなきゃ記憶に残らない。

薫さんはとんでもないゴールばかりで映像が頭に浮かぶのがすごい」

 3年半前。初出場したカタール大会はドイツ戦、スペイン戦で先発し、16強入りに貢献した。クロアチア戦で敗れた後、「バケモノになって戻ってくる」と宣言していた

 「前回は右も左も分からなくて、出番が来た時にバンとやる感じで余裕がなかった。こんなに何にもできないんだと悔しさがあった。今は、ゲームで使っていたバケモノみたいな選手ばっかりいるプレミアでやれてる自信は大きい。毎日全力でやった。ダメだったらダメ。これで通用しなくても何一つ後悔はない」

 スペイン戦では「三笘の1ミリ」と称された、三笘からゴールライン際ギリギリの左クロスを押し込み、決勝点を挙げた。今大会は、負傷で不在の三笘が背負った7番で臨む。ボランチは鎌田大地佐野海舟が主力だが、少ない時間でもチームに尽くし、2大会連続ゴールを狙う。

 「3月にウェンブリーでイングランドに勝って、プレミアでも『日本は強い』という声も増えた。初戦の結果はやっぱり重要だなって、前回の大会を見ても思う。

雰囲気とかも含めて変わるから。優勝を目指す中で、初戦のオランダ戦が大事になる。ゴールを決めたい気持ちはある。選手であればスタメンで出たいのは当たり前だけど、自分が何分出るとか関係ない。10分だろうが、90分だろうが、出た時に全力を出すだけ」(終わり)

◆田中 碧(たなか・あお)1998年9月10日、川崎市生まれ。27歳。さぎぬまSCから小3で川崎の下部組織に入団。2017年トップ昇格。19年Jリーグベストヤングプレーヤー賞、20年ベストイレブン選出。21年6月にドイツ2部デュッセルドルフに移籍。24年8月に英2部リーズに移籍し、25年プレミアリーグ昇格。21年東京五輪代表。

22年カタールW杯は3戦1得点。代表通算37戦8得点。利き足は右。180センチ、75キロ。

◆日本代表のW杯2大会連続ゴール 過去に本田圭佑、岡崎慎司が記録。本田は出場3大会(10年南アフリカ、14年ブラジル、18年ロシア)全てで得点し、通算4得点。全大会でアシストも記録して、3大会連続で得点、アシストを記録した史上6人目の選手になった。岡崎は10年南アフリカ、14年ブラジルで得点を記録。

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