◆第76回安田記念・G1(6月7日、東京競馬場・芝1600メートル)

 100%の力で、再びマイル王へ。担当助手のSNSアカウントから「おぱんち」と呼ばれ、ファンに愛される25年NHKマイルC覇者パンジャタワー(牡4歳、栗東・橋口慎介厩舎、父タワーオブロンドン)。

その後はスプリント路線にかじを切り、前走の高松宮記念では4着だったが、決して万全の状態ではなかった。

 サウジ遠征明けで、トレセンに帰厩して10日での競馬。もちろん予定していたローテーションであり、悪い状態ではなかったが、最後のひと伸びを欠いた。担当の五十嵐助手は「今回は日数をかけて、心身をケアしながら、マイルに対応できるようにやっています」とうなずく。先月3日に初時計を出すと、ここまで9本の追い切りを消化。体もはち切れそうなくらい、実が詰まっている。

 父がスプリンターだけに、今はマイルが長い可能性はある。そのため、追い切り日以外は極力ゆっくりと走らせ、馬が力まないように調整している。「心身のバランスも取れた状態で、不安はないです」と同助手。1週前追い切りこそ、やや行きたがる場面もあったが、コンビを組む松山弘平騎手が乗っての併せ馬で気持ちが入っていた。あのひと追いがいいガス抜きになりそうだ。

 海外遠征2戦でも、ともに掲示板を確保したように、メンタル面も強い。

「どっしりしてきましたし、顔つきもキリッとして大人になってきた。いい成長を見せてくれています」という言葉に、デビューの前から“橋口厩舎番”として、おぱんちを見てきた私も完全に同意している。

 鞍上は31日にロブチェンでダービージョッキーに輝いた。五十嵐助手も「僕もパートナーとしてやってきているし、うれしいですね。松山騎手はマイルをこなせると自信を持ってくれています」と笑みを浮かべた。「ロブ」の次は「おぱんち」。今一番勢いに乗る男が、相棒を2年連続マイルG1制覇に導く。(山下 優)

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