サッカー日本代表のMF久保建英(24)が1日、スポーツ報知の単独インタビューに応じ、自身2度目のW杯となる北中米大会(11日開幕)に懸ける思いを激白した。森保ジャパンが掲げる「優勝」に向けて、中心選手として期待されるアタッカーは「国民の、全世界の記憶に残るようなW杯に、チームとしても個人としてもしたい」と宣言。

“大会の顔”となり、日本サッカー界の壮大な夢をかなえる決意を示した。【単独インタビュー後編】(取材・構成=後藤 亮太)

×    ×    ×    ×

 久保は5月31日のアイスランド戦後の場内インタビューで、スタジアムを大きく沸かせた。「優勝して、みなさんの前にトロフィーを持ってきたいと思います」。あの言葉にも、久保なりの思いが詰まっていた。

 「(アイスランド戦は)チケットが即完売という話を聞いて、みんな期待してくれているんだなと非常にうれしい気持ちでした。あんまり僕、ああいうことを言うのは好きじゃないんですけど、6万人のファン・サポーターの皆さんが来てくれて、(W杯)本番前ということで、言うとしたらあそこかなと。サッカーを知らない人たちも、『お、じゃあ応援しようかな』という気持ちになってくれると思うので、チャンスかなと思って言いました」

 誰もが注目するタイミングでファンの心をつかむ言葉を残すのも、スターだからこそ、なせる技。日本をサッカー大国へと押し上げる役割もまた、久保が担っているとも言える。

 「やっぱりサッカーが一番になってもらわないといけないですし、そのための努力を(日本)協会もしている。選手たちもそれを後押ししてもらえるように、いろんな方に興味を持ってもらえるようなプレーをしないといけない。お子さんに『スポーツ何をやらせようかな』とか、『部活は何にしようかな』と思っている人たちにも、サッカーを見て『じゃあサッカーをやろう』という人がたくさん出てくると思うので、そういった意味で(W杯は)すごいチャンスになる」

 久保がそう言えるのも、道を切り開いてきた偉大な先人たちがいたからこそ。アイスランド戦では、長年代表の主将を務めてきたDF吉田麻也(37)が、慣れ親しんだ背番号22、そして主将マークを巻いて出場。

前半14分に途中交代する際は両チームの選手たちの花道をくぐり、スタンドからの万雷の拍手で送り出された。

 「日本代表に多大なる貢献をしてくれた選手に、感謝の場を設けることで、今後の僕たちにとっても、もっと日本代表で頑張ろうと思いますし、個人的にはいいなと思います」

 19年に代表デビューを果たし、吉田はもちろん、多くの偉大な先輩の背中を見てきた。日の丸を背負った戦いを重ねれば、重ねるほど、その重みは増す。

 「代表監督、代表スタッフ、代表経験者たちから、どんどん、どんどん、どんどんバトンを受け継いで、今がある。受け継ぐ覚悟を感じます。僕らも次の世代に同じことをできるように、日本代表が強くなるためには、バトンを受け取る側と渡す側の存在が非常に大事になってくる。僕らがそのバトンをしっかり受け取って、今大会、全力で頑張りたいなと思います」

 W杯優勝へ、まずは初戦オランダ戦での勝利が必要だ。久保は日本のサポーターから応援も力に変えると約束する。

 「(森保一)監督も言っていましたけど、共闘できるように一体感を持って、みんなが同じ方向を向いて、日本代表の勝利を願っていてほしいなと思います」

 日本中の期待を一身に背負い、久保が2度目の大舞台へと向かう。

 ◆久保 建英(くぼ・たけふさ)2001年6月4日、神奈川・川崎市生まれ。24歳。26年北中米W杯代表。

小3から川崎U―10でプレーし、11年夏にバルセロナ入り。15年にFC東京U―15むさしに入団し、17年11月に16歳でプロ契約。18年の横浜Mへの期限付き移籍を経て、19年にRマドリードへ。マジョルカ、ビリャレアル、ヘタフェへのレンタル移籍を経験し、22年にRソシエダードに完全移籍。21年東京五輪、22年カタールW杯出場。代表通算49試合7得点。173センチ、64キロ。左利き。

 【取材後記】アイスランド戦から一夜明けたこの日、チームは2日にメキシコへの出国を控えており、休養日だった。貴重なオフにも関わらず、実現した初の単独インタビュー。普段のミックスゾーンでも、自分の思いを真っすぐに伝え、時にはユーモアも交えた言葉の数々を聞いてきたが、1対1だったこともあり、今まで以上に深く、強い、代表とW杯に懸ける思いに接した。

 2度目の大舞台は目の前だが、落ち着いた表情からは、確かな自信が感じとれた。

今月4日に25歳となるが、「いつも代表で誕生日を迎えているので、そろそろ代表から何かいいプレゼントをもらってもいいのかな」との冗談も交えつつ、一転して「みんなの前でしゃべる機会もあると思うので、そこでいいことを言って、チームをよりギュッと引き締めたい」とも明かした。その姿には風格すら漂っていた。W杯の主役の階段を上っていく久保建英を見ていきたい。(後藤 亮太)

編集部おすすめ