◆第108回全国高校野球東東京大会▽準々決勝 関東第一8―2錦城学園(22日・神宮)

 東東京の準々決勝では、3連覇を狙う関東第一が錦城学園を下して4強入り。4番の井口瑛太主将(3年)が初回に2戦連続となるランニング本塁打を放つなど、序盤から主導権を握って頂点まであと2つに迫った。

 迷いはなかった。関東第一・井口は、三塁ベースを力いっぱい蹴って本塁へ突入した。中継からのボールは返ってこない。ランニング2点本塁打だ。大喜びでナインとハイタッチを交わし、勢い余ってベンチ前では転倒。「そんなに(足が)速くないけど頑張って走った。(ナインから)『よく走ったな』と言われました」と照れ笑いを浮かべた。

 初回2死三塁の好機だった。外角直球を捉えたライナーが、二遊間を鋭く破った。打球は右中間寄りを守っていた中堅手の横を抜けて、左中間最深部まで転々。「チームの中では速くない方」という50メートル走6秒7の脚力でダイヤモンドを走り抜き、5回戦の田園調布戦に続く2戦連続のランニング弾とした。

 運の要素も大きいランニング弾を2戦続けて記録するのは珍しい。

井口は「たくさん運を集めるというのは、今までチームがやってきたこと。それが少しずつこの大会に出てきている」と言う。チームではゴミ拾いやあいさつの徹底、主将自ら就寝前に寮内の見回りを行い、整理整頓がされているかの確認を大会中も欠かさずに行ってきた。「それがランニングホームランにつながってくれているのかな」。グラウンド内外で細部への気配りをこなしてきたからこそ、野球の神様が味方をしてくれたのかもしれない。

 チームは快勝で4強入りを決め、1980~82年の早実以来の東東京3連覇まであと2勝。井口は「全員で準備して、全員で勝つというのは1個上、2個上を見て学んできたこと。あと2試合も全員で勝ちにいきたい」とナインの思いを代弁した。集めてきた運を味方につけて、全員野球で偉業に挑む。(小島 和之)

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