◆女子プロゴルフツアー メジャー最終戦 AIG全英女子オープン 最終日(2日、英ロイヤルリザム&セントアンズGC=6601ヤード、パー71)

 3打差2位で出た桑木志帆(23)=大和ハウス工業=が3バーディー、2ボギーの70で回り、通算5アンダーで並んだエスター・ヘンゼライト(ドイツ)とのプレーオフを制し、日本女子7人目のメジャー制覇を果たした。全英女子が2001年にメジャーに昇格してからは19年の渋野日向子、昨年の山下美夢有(みゆう)に続いて3人目の制覇。

米ツアーでの初勝利となり、優勝賞金150万ドル(約2億3700万円)を獲得した。

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 右手はピンク、左手はブルー。ド派手なネイルが施された指で包んだトロフィーを、桑木が高く掲げた。「信じられない。実感はないが、うれしい。うれしいしかない」。ウィニングパットを沈めると、英国の空に向かって気持ちよさそうに両手を広げた。鮮やかな緑のウェアと白のパンツ姿で迎えた歓喜の瞬間。「目立ってなんぼ」の精神を結果で示した。

 プレーオフ(PO)の1ホール目で第1打を右に曲げた。「やってしまった」と悔やんだが、すぐに気持ちを切り替えた。フェアウェーに出し、130ヤード残った第3打をピンそば1メートルへ。

起死回生の一打で2ホール目へ勝負を持ち込み、相手がティーショットを右に曲げてボギーをたたき、桑木は1メートルのパーパットを冷静に沈めて決着をつけた。今大会4日間でポットバンカーに第1打を入れたのは2回だけ。難設定で世界トップ選手たちとのサバイバルの中、ダブルボギーは1つもなしと粘り強さが光った。

 父の影響で4歳からゴルフを始め、ほぼ自己流でプロになった。鋭い感性の一方、理論や定石には疎かった。ただ、数年前からコーチやトレーナーをつけての鍛錬を積んで成長が加速した。昨年3度出場した海外メジャーではレベルの差を痛感。「ラフからの素振りで芝の抵抗を感じること。それまでは意味がわからず素振りは格好だけ」と苦笑した。苦手だったコース状況や天候などを計算したマネジメントも「いろいろ考えながらできた」と勝因に挙げた。小楠和寿トレーナーは「感覚に知識、技術がマッチしてきた」と語る。

 父の正利さん、母の浩子さんの前で快挙を成し遂げ「いろいろな景色を見せてあげたいなと思っていた」と感謝した。

4歳の時にゴルフに導いてくれた正利さんは2023年に脳梗塞(こうそく)を患った。69歳の今は全試合を現地で見られないが、絆の強さは変わらない。「親の言うことは聞かない。特に、私の言うことは」と苦笑いしつつ「気遣ってくれていることは確か」と目を細めた。

 11月に予選会に挑戦する予定だった米ツアーに本格参戦する権利を手にした。今季は日本ツアーを優先する方針で、来季から拠点を移す。大好きなものは「キラキラ」。人工まつげをつける「まつげエクステンション」にもこだわりがあり「マジで大事」と力説する23歳の自分へのご褒美はお酒だ。「好きなので、いっぱい飲みたい。ウイスキーのソーダ割りを」。今時の愛されキャラの個性派プロが、メジャーチャンピオンに上り詰めた。

◆桑木 志帆(くわき・しほ)

 ▼生まれとサイズ 2003年1月29日、岡山市。

23歳。163センチ

 ▼ゴルフ歴 4歳で始める。岡山理大付高を経て、倉敷芸術科学大在学中。21年6月のプロテストで一発合格。同年末の新人戦で優勝

 ▼ツアー歴 本格参戦1年目の22年はメルセデス・ランキング51位でシードを逃す。23年同10位で初シード。24年6月の資生堂レディスで日本ツアー初優勝。国内通算5勝

 ▼同学年で国内メジャー優勝一番乗り 24年11月のJLPGAツアー選手権リコー杯制覇。岩井明愛、千怜、佐久間朱莉らを抑えて02年度生まれ最速

 ▼好きなもの 「キラキラした派手なもの」。色はピンク、黄色。人気日本人ラッパーの「LANA」。最近は「クイーン」にはまっているとか

 ▼趣味 カラオケ。

得意曲はHYの「366日」

 ▼憧れ 同じ岡山出身の渋野日向子、吉田優利

 ▼性格 「負けず嫌い」と父・正利さん

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