◆第61回札幌2歳S・G3(9月5日、札幌競馬場・芝1800メートル)

 “大物候補”と話題を集めるショウナンガレオン(牡2歳、美浦・加藤士津八厩舎)は、一目見た時から品があって格好いい馬だと思った。一方で、フライトライン産駒の良血馬という“色眼鏡”で見ているだけではないかと、素直になれない自分への葛藤もあった。

それでも日々の取材で熱視線を送っていくうちに、変な迷いは消えていった。

 全休日明けの1日は、落ち着き払った雰囲気で馬場入り。角馬場で運動後にダートコースを軽快に流して調整した。力むようなところもなく、遠目にも見栄えがしてオーラを感じた。関本助手が「一度レースを使ってから仕上げていくなかで、まとまって走れるようになってきた。なかなか一頭だけでコースを真っすぐに走れる2歳馬はいないですよ」と感心するほどで、「誰が見ても格好良い馬体をしています」とも付け加えた。取材に立ち寄った厩舎で洗い場にいる姿を撮影させてもらったが、「いい目をしているなあ…」と見とれてしまった。

 秘める能力は計り知れない。7月5日の函館での新馬戦(芝1800メートル)は、好位2番手から直線は悠々と流す余裕を見せて2歳コースレコード(1分47秒6)の完勝。衝撃だったのは札幌・芝コースでの1週前追い切り。単走でスタートし、前を行く他厩舎の併せ馬をごぼう抜きして“最先着”。手綱を取った鮫島克駿騎手が「何も問題ないですね。

前回より反応良く感じますし、平常心でトラブルなくいければ、結果はついてくる」と言い切るほどだ。

 さらに評判を裏付ける情報もキャッチした。デビュー前の函館で同馬を見ていたという知り合いのベテラン助手が「あれはG1馬だよ。あか抜けているよ」と驚いたほど、よく見えたそうだ。数々のG1馬を手がけた厩舎人の言葉だけに、非常に説得力がある。ここも通過点かも知れない。(坂本 達洋)

 ◆フライトラインとは G1・4勝を含む6戦6勝。6戦合計71馬身差をつけた“米国ダート最強馬”と呼ばれる。3歳時の21年4月に米サンタアニタパークの未勝利戦を13馬身1/4差をつけて勝利すると、2戦目の条件戦では12馬身3/4差V。G1初挑戦となったマリブSを11馬身半差で圧勝した。ラストランとなった22年BCクラシックは8馬身1/4差V。4歳で現役生活を終え、種牡馬入りした。

6月13日の新馬戦で、デミアンが同産駒の世界初勝利を挙げている。

 ◆ショウナンガレオンのデビュー戦 7月5日の函館5R・2歳新馬(芝1800メートル=5頭立て)で、4角2番手から最後の直線は軽く促しただけ。後続に2馬身半差をつける2歳コースレコード(1分47秒6)で圧勝した。昨年のマルガがマークしたコースレコードを0秒5短縮。鮮烈な初陣を飾った。

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