パ・リーグ 楽天5―1オリックス(1日・秋田)

 振り絞った。期待の込められた声援を受けて、楽天ドラフト2位の伊藤樹投手(23)=早大=が投げきった。

3点リードの6回2死満塁。真ん中高め146キロ直球で山中を中飛に仕留めた。最大風速20メートルの横風にも負けずに、6回4安打3四球無失点の好投。プロ2勝目は地元での凱旋星だ。「ホッとした思いと、うれしい気持ちです」。秋田の風が心地良かった。

 秋田・美郷町出身。「みんな温かい」と誇る。中学から宮城・秀光中に進学しており、プロ入りまでこまちスタジアムでの登板はなし。6月13日のファーム・リーグ、DeNA戦(秋田)が初の登板だった。同戦では5回5失点と苦戦したが、「いい姿を見せたい」と上がったマウンドでは持ち味を発揮。最速148キロの直球に変化球を交えて、8三振を奪った。

 大好きな家族の前で躍動した。父・学さん、母・優子さん、兄・翔さん、祖母・信子さんが一塁側席で観戦。父からは球場入りの際に声を掛けられた。「空回りするなよ。力むなよ」。気合十分で臨むであろう息子を思っての言葉。うれしかった。小学生時に父からは「全体を見るように」と教えを受けていた右腕。ピンチでも周りを見渡して堂々と投げ抜いた。

 プロ初先発から2連勝を飾り、チームは連敗を3で止めた。吉井監督は「ルーキーらしからぬ投球」と称賛。強心臓の23歳が故郷で雄姿を届けた。

(宮内 孝太)

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