大相撲秋場所(13日初日、東京・両国国技館)に向け、京都府出身では198年ぶりに新三役となった新関脇の藤ノ川(伊勢ノ海)が3日、東京・中央区の荒汐部屋で出稽古した。父で伊勢ノ海部屋付きの甲山親方(元幕内・大碇)も見守るなかで元関脇・若元春(荒汐)らと7番連続を含む、計15番の相撲を取って9勝。

京都府出身として198年ぶりに新三役となった21歳は「三役の気持ちでやっていく」と引き締めた。

 鋭い立ち合いから一気に前に出る相撲が光った。191センチ、171キロの巨漢十両・大青山(荒汐)に左を差して一気に寄りきるなど好調な仕上がりを見せた。幕内・若元春には組んだ後にタイミング良く小手投げで勝つなど多彩な取り口で9勝。8月31日の番付発表後初の出稽古だったが、「ちょうどいい番数。首の調子を見ながら体を仕上げていきたい」と充実の汗をぬぐった。

 この日、出稽古を見守った父で部屋付きの甲山親方は「ケガもなく、順調に来ている」とうなずいた。

 京都府出身では198年ぶりの新三役となったことについて同じ京都出身の同親方は「三役はなかなか幕内でも届かない。地元を背負っていくではないけれど、京都を盛り上げてほしい」と期待した。

 恩師にも感謝を伝えた。2日には母校・埼玉栄高を訪れ、相撲部の山田道紀監督と夫人の早苗さんにも新三役昇進のあいさつをした。入学時は大きな実績もなく、体重は70キロ。

「一番の恩師。今があるのは山田先生と早苗さんのおかげ」。ちゃんこを一緒に食べて気持ちを高めた。甲山親方も「高校くらいから、相撲の面白さを知ってきた。主将をやったことで勝負強さを培った」と飛躍の原点であることを明かした。

 三役として迎える秋場所。「前頭の時は挑戦者だった。三役の気持ちでやっていく。自覚を持ってやりたい」と拳を握った。4日は横綱審議委員会による稽古総見が控えており、「頑張ります」と静かに闘志。初優勝のため、今後も初日に向けて出稽古で仕上げていくつもりだ。(今井 隆太郎)

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