◆JERAセ・リーグ 広島5―10巨人=延長11回=(5日・マツダスタジアム)

 思い切りバットを振り抜いた。巨人・大城卓三捕手(33)は祈りながら、走り出した。

「感触はよかったので『入れ、入れ!』と思って回ってました」。願いは届き、一直線に伸びた打球は、バックスクリーンへ消えた。ダイヤモンドを一周し、ベンチで両手をひらひらさせる「波乗りポーズ」で仲間に迎えられると、思わず笑みがこぼれた。

 3試合連続で「4番・捕手」で先発出場。2点を追う4回無死、広島の先発・玉村の浮いたスライダーを捉え、57日ぶりの一発となる9号ソロを運んだ。自身3年ぶりの2ケタに王手をかけ、4番では初アーチにもなった。さらに3―3の8回1死からも左翼線際への二塁打で出塁して、一時勝ち越しのホームを踏んだ。4番に座るのは今季7試合目。「チャンスで回ってくる回数が多くなるので、そこでしっかり打ちたいなという気持ちでいますね」と強い心構えで打席に立ち、結果を残した。

 この日はダルベックが体調不良のためベンチ外。試合前練習直後、助っ人がグラウンドに姿を現した際には大城が声をかけて笑顔で会話する場面も見られた。普段からベンチや練習でもじゃれ合い、歩き方をまねされるなどいじられることもしばしば。

「人見知りなので…」と語りながらも、しっかりとコミュニケーションを取っている。主砲が不在の中、しっかりと役目を果たした。

 9回2死一、二塁で森浦から右脇腹に死球を受けて悶絶(もんぜつ)するも、痛みに耐えて一塁へ。その裏の守備から退いた。満身創痍(そうい)であることは想像に難くないが、扇の要、そして打撃面でも、その存在はチームに不可欠。「大丈夫です! 大丈夫です!」と無事をアピールしてバスに乗り込んだ。チームのために奮闘している。(水上 智恵)

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