◆第44回ローズS・G2(9月13日、阪神競馬場・芝1800メートル、3着までに秋華賞の優先出走権)=9月8日、栗東トレセン

 その言葉に驚いた。モンローウォークが6月に1勝クラスを快勝した直後。

上村調教師から「秋華賞へ連れていかないといけない馬」と聞いた。普段から大きなことを言わず、むしろ手放しで褒めることは少ないタイプ。今春からの転厩馬で、手がけてからの初勝利を挙げたばかりの若駒に対し、最上級と思えるほどの賛辞が強く印象に残った。

 2歳時に新馬を勝ち、10か月の休養を経て、古馬相手の自己条件2戦を余力十分に楽勝。そして、無傷の4連勝がかかるローズSへ―。その歩みは“令和のファインモーション”とよく呼ばれる。さすがに20年以上も前になる“怪物牝馬”の現役時は取材していない。そこで02年ローズSを報じる記事を見ると、秋華賞を見据えた伊藤雄調教師(当時)が出した指示は「できるだけ追わないで勝ってほしい」。勝利を疑わない、絶対的な信頼があるからこその言葉だ。

 ここまでとは言わないが、今回の上村師にも同じような姿勢を感じる。中間は「本番を見据えたレース。メイチにはやっていない」と何度も聞いた。

今週は道悪も予想される馬場の話でも「できれば良でやりたい。ダメージのないレースをしたいから。北海道から(ダメージが)最小限のレースをしてきました」と説明。重賞初挑戦でも、あくまで通過点に過ぎない。

 キャリアはまだ3戦。今回は栗東での調教が初めてで、北海道からの長距離輸送もあり、馬体重は前走より減るという。そんなウィークポイントになり得る要素を自ら切り出しながらも、トレーナーの自信が揺らぐことはない。「(武器は)競走馬としてのセンス。なかなか、このレベルの馬はいない」。底知れないスケールで再び圧勝劇を演じれば一躍、3歳牝馬戦線の主役になる。(山本 武志)

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