◆プロボクシング ▽フライ級(50・8キロ以下)6回戦 〇平塚駿之介(2回TKO)ナタノン・トーンチャイ●(10月14日、東京・後楽園ホール)

 アマチュアボクシング4冠の平塚駿之介(24)=大橋=がプロデビュー戦に臨み、ナタノン・トーンチャイ(20)=タイ=を2回55秒TKO勝ち。初回、右ショートでダウンを先取。

2回、多彩な左で攻め立てると、左フックで2度目のダウン。さらに連打をたたみかけたところでレフェリーが試合を止めた。

 栃木県出身の24歳が目指すのは、郷土の英雄で今年6月に76歳で亡くなった元WBC世界ライト級王者・ガッツ石松さんのような存在だ。試合後のリング上で、平塚は言った。

 「ガッツ石松さんのように栃木県を象徴するような選手になっていきたい。自分がガッツ石松さんの名言『OK牧場』と言ったら、みなさんに『OK牧場』と言い返してもらえるような選手になりたい」

 8月のプロ転向会見でも「ガッツさんのように、子どもたちや見ている方々に希望や夢を与えられるような選手になりたい。ただ強いだけじゃなく、当たり前のことを当たり前にできる人間力のある選手になっていきたい」と目標を語っていた。

 もっとも、いきなりリング上で「OK牧場」の大合唱を求めるつもりはないという。「大きな満員の会場で、お客さんに『OK牧場』と言ったら返してもらえるような選手になっていきたい。きょうはリハーサル。いつか言いたい。会長にも『いいですか?』と聞かないと」。

ヨネクラジムのガッツさんの後輩でもある、大橋ジム・大橋秀行会長の「OK」をもらった後、「OK牧場」を解禁する考えだ。

 愛称は「ザ・ハンター」。「相手を狩る」という意味を込め、栃木・作新学院高時代の恩師とともに考えた。大橋会長は「知らないうちに『ザ・ハンター』ってつけていて、びっくりしました」と苦笑しながらも、「ハンターらしい戦いぶりだった。もうちょっとパワーがつけば、面白い選手になる」と評価した。

 ただ、大橋会長が考えていた愛称は「ザ・キャプテン」だという。「高校、大学(駒大)とずっと主将で、本当に真面目。大橋ジム史上、最高の真面目さ。一日5、6時間ぐらい練習している」と明かした。

 「自分は人より才能があるわけではない。毎日コツコツ練習して自信や感覚を培っていければ」。デビュー戦の自己採点も「20点から30点ですね」と厳しい。

「もうちょっと角度やフェイントの引き出しを出せたらよかった。自分本来の姿はまだ見せられなかった」と課題を見据えた。派手な名フレーズの陰にあるのは、地道な鍛錬への信頼だ。いつか満員の会場に「OK牧場」が響き渡る日まで。平塚はまず、リングの上で一歩ずつ自分の名を刻んでいく。

 ◆平塚 駿之介(ひらつか・しゅんのすけ)2002年5月1日、栃木・さくら市生まれ。24歳。小学1年でボクシングを始める。作新学院高では、19年に全国高校総体優勝。駒大進学後、21年関東大学ボクシングリーグで最優秀選手賞受賞。22年に栃木国体優勝。25年には滋賀国スポ、社会人選手権を制覇。

アマチュア戦績は65戦51勝(8RSC)14敗。家族は両親と弟。身長167センチの右ボクサーファイター。

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