車いすテニス男子で、世界ランキング1位の小田凱人(東海理化)が、世界王者の絶対的強さを見せつける。18日に開幕する愛知・名古屋アジアパラ大会の車いすテニス日本代表が13日、名古屋市内で練習を公開し報道陣の取材に応じた。

 車いすテニスのアジア男子は、世界的にそれほどレベルが高くない。最新世界ランキングでは、日本選手以外で、紀珍旭(き・ちんきょく=中国)の9位が最高位だ。前回の2023年杭州大会では、小田の金を筆頭に男子シングルスの表彰台を日本選手が独占した。

 男子シングルスの優勝者には、2028年ロサンゼルス・パラリンピックの出場権が与えられる。連覇を狙う小田が最有力候補だが「今は意識していない」。小田のモチベーションは違うところにある。「世界1位なので、やっぱり違うぜと。力の差、圧倒的な力を見せたい」ということになる。

 初戦から決勝まで、全試合1ゲームも落とさない全試合完封試合を達成すれば、絶対的な強さを証明できる。小田は「自分でも(ここは落とせない)ラインを引いている。完封して勝ちたい。逆にセットを落としちゃったら、『おいおい』って感じなので」と頼もしい。

 それどころか、力の差がありすぎる初戦などは、1ポイントも落とさない48ポイント連取の「ゴールデンマッチ」も夢ではない。一般のテニスでも、前代未聞の記録だ。小田は「終わってみたら、どうなっているか」と、不敵な笑みを漏らした。

 ◆全試合完封優勝 優勝までに失ゲーム数0というのは、4大大会でもツアー公式戦でも記録されていない。4大大会の女子シングルスで有名なのは、当時、世界女王だったシュテフィ・グラフ(ドイツ)が、優勝するまでの7試合で合計20ゲームしか失わなかった1988年全仏オープンだ。決勝も1ゲームも落とさない完封劇だった。

 ◆ゴールデンマッチ 1ポイントも落とさない試合のことを称して言う。一般テニスでの4大大会やツアーではさすがに例がない。しかし、ツアー下部大会のITF(国際テニス連盟)ワールドツアーで、2019年12月のドーハで行われた大会の予選1回戦で、タイの選手がウクライナの選手相手に、1ポイントも落とさないゴールデンマッチを達成した。

編集部おすすめ