「終の棲家(ついのすみか)として、中古のボロボロのマンションを購入し、自分の趣味全開のかわいいおうちをつくりました」と、SNS(X)にリノベーションした部屋の写真をポストしたTommy September6さん(以下、Tommyさん)。その投稿は、880万回以上表示され、「いいね」が15万以上もつくなど、大勢の注目を集めました。

現在、ますますかわいさが進化しているTommyさんのおうちに取材班が突撃! 一緒に「リアル・ドールハウス」のルームツアーに出掛けましょう。

かわいいキャラクターたちが楽しく同居する「リアル・ドールハウス」

「かわいいおうち」「メルヘン」「リアル・ドールハウス」「遊びに行きたい」など、800人以上から驚きと羨望(せんぼう)のコメントが集まったTommyさんのおうちは、東京都渋谷区の比較的閑静な住宅街にある中古マンション。外観やエントランスホールも、築約50年と思えないほどきれいです。

■TommyさんのおうちDATA

所在地東京都渋谷区築年数築約50年専有面積48平米リノベ―ション工事期間約3カ月リノベーション会社オルガンクラフト

玄関ドアを開けると、ピンクや紫などパステルカラーを基調にしたメルヘンチックでファンシーな空間が目に飛びこんできます。曲線に包まれたアンティーク調のソファやシェル型ベッド、キラキラ光るシャンデリアなど、プリンセス系のインテリアで統一されています。リビングやベッドにはたくさんのキャラクターグッズが部屋のキャストのように存在し、さながらテーマパークのよう。流行のグッズもいち早く手に入れています。

【30代男子の推し活リノベ】ピンク主役の“趣味全開”部屋にSNS15万いいね! 築50年・48平米の中古マンションを「Kawaii空間」に

かわいいキャラクターたちと暮らすTommyさん(写真撮影/相馬ミナ)

おとぎの国のようなこの部屋の主人公であるTommyさんは、ポップでかわいいもの好きの30代の会社員、婚活中のシングルです。

「以前、リノベーションマンション仲介のプラットフォームアプリを開発していたこともあり、いつか自分も家を買いたいと考えていました。不動産会社が中古物件を自分の好みではないテイストでリノベーションして再販する買取再販の物件を購入するのではなく、未内装物件を購入して自分で好きなようにリノベーションがしたいと思い描いていました。

ローンがおりやすい企業に転職したのを機に『今が家を買うチャンスかも』と思ったんです」

そしてTommyさんは夢だった理想の家づくりへ向けて大きく踏み出しました。

中古マンションを買って自分好みにリノベーションしたい

家を買うことを決めたTommyさんは、以前仕事でつながりがあったリノベーション会社に中古物件探しを相談。その3日後、「好きそうな物件が出たよ」とさっそく紹介されたのが現在のお住まい。立地や周辺環境も希望にぴったり。

現地へ行くと、外観やエントランスもすごくきれいで印象が良かったため、購入を決断しました。

【30代男子の推し活リノベ】ピンク主役の“趣味全開”部屋にSNS15万いいね! 築50年・48平米の中古マンションを「Kawaii空間」に

玄関ドアを開けると開放的な空間が広がる(写真撮影/相馬ミナ)

「2024年3月にマンションを購入し、それから約3カ月かけてリノベーションの詳細を打ち合わせました。リノベーション会社とのイメージの相違を避けるために、ピンタレストなどを活用して「こんな部屋にしたい」という画像のリストを作成し、『これは派手過ぎる』『ちょっと違う』など意見交換を繰り返しながらデザインを具体化していきました。

担当デザイナーは以前からプライベートでも仲良くしていた人で、自分の好みや希望をくみ取ってくれたのもあって、話はスムーズに進みました。また、壁紙や床材など素材選びなどは、カタログやサンプルを見るだけでなく、ときには実際に使われている場所にデザイナーと一緒に行って見て確認しました」

【30代男子の推し活リノベ】ピンク主役の“趣味全開”部屋にSNS15万いいね! 築50年・48平米の中古マンションを「Kawaii空間」に

キラキラ輝くバブルシャンデリアなど、照明も一つひとつ厳選した(写真撮影/相馬ミナ)

大好きなMVと映画の世界観を参考に色使いにもこだわる

「趣味全開のリノベーション」で重要なのは、ぶれないテーマ、明確な世界観があること。TommyさんのXのアカウント名は、敬愛する「Tommy february6(川瀬智子)」さんにちなんで名づけたもの。部屋づくりの参考にしたのは、同アーティストの「SUGAR♡ME」のMV。カラフルなスイーツやフードの雑貨、パステルカラーの家具やインテリア、ガーリーなファッション、仲間とのパーティーでの装飾などで構成された世界観を部屋にイメージしました。

また、色使いは、『グランド・ブダペスト・ホテル』『ダージリン急行』などで知られるウェス・アンダーソン監督の作品を参考にしています。これらおすすめ作品をデザイナーにも数本観てもらい、世界観をすり合わせたとか。

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ポップなピンクと紫の市松模様の床タイルは、何度も実物を見に行き慎重に決めた。料金を抑えるために素材にもこだわったそう(写真撮影/相馬ミナ)

床や壁紙のカラーコーディネートは部屋の印象を左右する大事な要素。床や壁の色をベーシックカラーにして家具や小物をカラフルにして遊ぶのもひとつの手法ですが、Tommyさんは壁の色のコーディネートにこだわりました。

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壁の色だけでなく、テーブルや小物、家具、家電の色も同系統でそろえた(写真撮影/相馬ミナ)

Tommyさんは、キッチン周りはレモンイエロー、リビング・ダイニングはパステルグリーン、ベッドがある洋室はピンクにするなど、機能別に壁の色を分けて、開放感を保ちながら空間を緩やかに仕切り、メリハリをつけています。水回りもパープルなどかわいい色を採用していますが、色の種類はおさえて、家具の色も厳選して全体のトーンをそろえています。また、床や天井などに淡いグレーや白、アイボリーを使うことで派手すぎず落ち着いた印象を醸し出しています。

オープンなワンルームに皆と遊ぶ空間とプライベート空間をつくる

「誰でもいつでも遊びに来ることができて、僕がベッドで寝ていても、リビングのソファで友達が遊んでいられるようなおうちにしたかったんです。そこで友達が来て遊ぶ空間と、プライベート空間の2つに分けたいと思っていたんです。ところが、空間を仕切ると狭くなるという問題が出てきました。そこで、思い切って壁をぶち抜いた間取りにしたんです。壁やドアをつくらない分価格を抑えられるし、エアコンが1台で全体を冷暖房できるし、やって良かったと思っています」

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リビングと続きの洋室。カーテンも姫系でかわいさ満点。家具はほとんどネットで購入。理想のインテリアが見つからない場合はネットのセミオーダーのもので色やサイズを指定してつくってもらった(写真撮影/相馬ミナ)

Tommy さんは48.84平米の2DKの間取りをワンルームに変更しました。水回りの位置はそのまま、和室と洋室の仕切り壁や開口部を取り外してリビング・ダイニング・キッチンのスペースを広げ、洋室とWIC(ウォークインクローゼット)のスペースを確保しました。仕切りをなくしたことで視線が抜けて空間がより広く明るく感じられ、目指す世界観もつくりやすくなっています。

一方で、ベッドがリビングから丸見えにならないようにしているため、友達が遊びに来ているときにTommyさんが寝ていても気にならないつくりになっています。

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上の間取図がリノベーション前、下がリノベーション後。また、水回りはキッチン、ユニットバス、便器を交換し、洗面室はシンクや収納を選んで造作(制作/SUUMOジャーナル編集部)

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リノベーション前。ダイニングと洋室と和室の入口の壁と扉を解体し、床材を剥がした状態(画像提供/Tommyさん)

大事なものを見せてしまう棚と収納スペース

Tommyさんは以前の賃貸住まい(約30平米)では、実家にいたときから趣味で集めてきた大量のキャラクターグッズを十分に飾るスペースがなかったので、リビングの壁面にキャラクターグッズを飾るディスプレイ棚を造作しました。推し活をしている人はせっかくのお宝グッズをしまっておくのはもったいないので、飾る専用の棚(推し棚)をつくれば、集める楽しみと眺める楽しみで楽しみが倍になります。

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キャラクターのぬいぐるみや、アイドルの推し活グッズが300点以上並ぶリビングのディスプレイ棚はまるでショップのよう(写真撮影/相馬ミナ)

リビングの反対側の壁にはプロジェクターの映像を映せるようにしています。アンティーク調のピンクのソファーに座って、ぬいぐるみを抱っこして、推しの映像を見て、推し活の女子会のような集まりが繰り広げられることもしばしば。

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学生時代にDJやバンドをやっていたTommyさんは音楽をミックスしたりデジタル音源の操作を楽しんでいる(写真撮影/相馬ミナ)

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グリーンの作業デスクもセミオーダーで購入(写真撮影/相馬ミナ)

ベッドコーナーは、リビングとつながっていても、おこもり感があり落ち着いて過ごせます。ピンクのパステルカラーに囲まれ、大きな貝殻に包まれて眠れば良い夢が見られそう。ヘッドボード側にもキャラクターのディスプレイ棚を設け、照明を組み合わせて工夫しています。

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パステルグリーンの壁に白いモールディングの装飾がヨーロッパの邸宅風を演出(写真撮影/相馬ミナ)

アーチ状の開口部や円形のペンダントライト、家具にも曲線を採り入れることで柔らかい印象です。

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ウォークインクローゼットも扉を設けず入口はアーチ状に(写真撮影/相馬ミナ)

収納スペースには隠したいものや外に出しておきたくないものをしまっておくことが多々ありますが、ウォークインクローゼットの内装は紫と白で統一され、ポップな配色の洋服やコレクションなどが並び、見て楽しめる、人に見せたくなる空間になっています。

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ウォークインクローゼットにはハンガーパイプや可動式棚を設置(写真撮影/相馬ミナ)

「家に帰るとかわいい空間で過ごせて元気になります」とTommyさん。趣味や世界観を最大限に反映させたおうちで、仕事の疲れを癒やし、理想の暮らしをかなえた満足感を味わい、友人との交流も活発になり日々の活力が生まれ、かわいいものに囲まれて無条件に頬が緩む毎日を過ごしています。

自分が家で何をしてどんな時間を過ごすか、自分が持っていて手放せないものは何かを考え、自分の「好き」を最優先にした家づくりは、ベースがあるリノベーションだからこそ、チャレンジをリーズナブルに実現しやすいのではないでしょうか。SNSで反響があったように、かわいいものが好きでかわいい世界観のおうちに憧れても、実際に暮らすとなるとここまで思いきれない人が多いかもしれません。そういう場合は、ひと部屋から始めるスタイルもありだと思います。

●取材協力
Tommy September6さん
X(旧 Twitter)

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