藩主ゆかりの名湯で殿様気分を満喫

(C)長湯温泉療養文化館 御前湯
古来より湯治場とした栄えた長湯温泉。かの「万葉集」に長湯を詠んだ歌があるほど、長き歴史を有しています。江戸時代、岡藩主3代目の中川公は趣味の山登りの後、長湯温泉で疲れを癒やしたといわれており、安永10年(1781年)には専用の湯屋「御前様の湯」が設置。これが「御前湯」として引き継がれているのです。
幾度となく建て替えや修復が重ねられ、1998年(平成10年)に「温泉療養文化館 御前湯」が誕生。温泉治療学の先進地ドイツとかねてより交流が盛んであったことから、ドイツの建築様式を取り入れているのだそう。現在では長湯温泉のシンボル的な存在に。
とろっとした肌触りが心地よい炭酸泉
御前湯では異なる温度の3本の源泉を使用。いずれも加温、加水をしない源泉100%かけ流しです。泉質は炭酸ガスを含んだ炭酸水素塩泉。気泡は目には見えないものの炭酸ガスが豊富に溶け込んでおり、皮膚から体内に吸収されることで血管を開き、血行をスムーズに促すのだそう。
淡いオリーブ色のお湯は、とろっとした滑らかな肌ざわり。浸かっていると身体の芯からポカポカしてくるのを実感。1階の大浴場は深緑の木々や川のせせらぎが心地よく、心も解きほぐされます。