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今年最強の台風21号の影響で、近畿を中心に記録的な高潮や記録的な暴風となり、列島に大きな爪痕が残りました。

台風21号 25年ぶりに非常に強い勢力で上陸

台風21号は8月28日午前9時、南鳥島近海で発生しました。

発達しながら西よりに進み、マリアナ諸島付近で一時「猛烈な」勢力に。進路を次第に北よりに変え、日本の南を北上し、9月4日正午頃に「非常に強い」勢力を保ったまま、徳島県南部に上陸、午後2時頃には「非常に強い」勢力を保ったまま、兵庫県神戸市付近に再上陸しました。「非常に強い」勢力で上陸するのは25年ぶりでした。午後3時には「強い」勢力になり、午後4時には日本海に抜け、日本海を北上し、5日午前9時に間宮海峡で温帯低気圧に変わりました。

記録的な高潮

台風の接近、上陸に伴って近畿や四国の沿岸部では急激に潮位が上昇し、記録的な高潮となった所がありました。大阪では1961年の第2室戸台風の時に観測した過去の最高潮位を瞬間的に上回る値(329センチ)を観測しました。関西空港の滑走路や駐機場が広い範囲で浸水するなどの被害がでました。そのほか、神戸で最高潮位233センチ、和歌山県御坊で最高潮位316センチを観測しました。
※潮位はいずれも瞬間値の速報値

記録的な暴風

四国や近畿を中心に記録的な暴風となりました。最大瞬間風速は大阪府田尻町(関西国際空港)では58.1メートル(午後1時38分)を観測(2009年以降の観測で1位の記録)。和歌山県和歌山市では57.4メートル(午後1時19分)を観測し、1961年9月16日の第2室戸台風の時の値である56.7メートルを超えて、史上1位の記録を更新しました。大阪市でも47.4メートル(午後2時3分)を観測。

45メートル以上を観測するのは半世紀ぶりでした。建物の屋根が飛ばされ、トラックが横転、建設現場のクレーンが折れるなど各地に大きな被害がでました。大規模な停電も起きました。
夕方以降は北陸でも暴風が吹き荒れ、福井県敦賀市で47.9メートル(午後3時)、石川県金沢市で44.3メートル(午後5時57分)を観測し、観測史上1位となりました。東京都内でも八王子市で31.5メートル(午後4時24分)、都心で26.8メートル(午後7時5分)を観測するなど風が強まりました。

台風の活発な雨雲 列島縦断

四国や近畿、北陸周辺に台風本体の活発な雨雲がかかりました。高知県田野町では午前10時1分までの1時間に92.0ミリの猛烈な雨が降り、観測史上1位の記録となりました。
そのほか、記録的短時間大雨情報も続々と発表されました。
12時10分 香川県東かがわ市与田山で90ミリ。
14時50分 京都府左京区付近で約100ミリ。
14時50分 滋賀県大津市北部付近で約90ミリ。
15時10分 滋賀県高島市付近で約90ミリ。


17時40分 山梨県富士山西部付近で約100ミリ。
17時40分 静岡県富士宮市付近で120ミリ以上。

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