3月16日、全仏オープン(5月22日~6月5日)を主催するフランステニス連盟(FFT)は、同大会で新型コロナウイルスのワクチン未接種のために、出場大会が減少している世界ランク2位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)でもプレーすることができるとした。
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フランスでは1月下旬に1日当たりの新規感染者がピーク時の50万人超に達したが、現在では概ね10万人以下まで減少。
これにより全仏オープンではワクチンを打っていなくても観戦可能に。すでに60万枚のチケットのうち50万枚が売れているという。
そして、前年覇者であるジョコビッチについて、今年から全仏オープンのトーナメント・ディレクターを務める元女子世界ランク1位のアメリ・モウレスモは、「現状では、ジョコビッチが全仏オープンに参加することを妨げるものは何もない」とし、「我々の目的は、可能な限り最高のドローを手に入れること。科されたいかなるルールを遵守する用意がある」とした。
ジョコビッチは1月の全豪オープンでビザが認められず、国外追放となり欠場。2月のATP500ドバイ大会で今季初戦を迎えたが、ワクチン未接種のためアメリカに入国できず、現在開催中のATPマスターズ1000インディアンウェルズ、マイアミ大会に出場することができていない。全仏オープンで、ラファエル・ナダル(スペイン/同4位)の21度目のグランドスラム優勝に並ぶチャンスと言えるだろう。
だが、新型コロナウイルスの感染状況の悪化が再び起こる可能性も捨てきれない。FFT(フランステニス連盟)のジル・モレトン会長は、「まだウイルスが広がっていることを知っているし、過去2年間で起きたことを考えると慎重にならざるを得ない」と述べ、「もし、政府が新たな対策を講じるならば、我々はその対策から除外されることはない。今のところ信号が青でゴーサインが出たと考えている」と、選手にワクチン接種を求める可能性を否定しなかった。
また、ロシアとベラルーシの選手に対しては、男女ツアーと同様に国名・国旗の使用を中止し、中立の立場として出場させることとなっている。