東海道新幹線「N700S」7月デビューの新型車両で本線走行、新大阪へ 「座席」を中心に改良された車内設備をチェック!

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2020(令和2)年6月13日(土)、報道陣向けに東海道新幹線の新型車両「N700S」量産車の本線走行ならびに車内設備の公開が行われました。当該車両は10時ごろ東京駅19番線ホームへ入線し、新大阪へと進路を定め10時12分に発車しました。

N700Sは本年7月1日にデビューする東海道新幹線の「標準車両」です。機器の小型軽量化を進めたことで編成量数やMT比率を柔軟に構成し、16両編成だけでなく12両編成や6~8両編成でも走らせられることから、国内外問わず様々な線区に対応できる汎用性を有しています。JR東海は7月1日に4編成を投入、そして2022年度までに40編成まで増備する計画を明らかにしています。

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N700Sの外観上の特徴は「デュアルスプリームウイング形」と呼ばれる滑らかな先頭形状と車体に描かれたシンボルマーク

運用上は既存の「N700A」と変わりませんが、安全性や車内設備、セキュリティ面で更なる性能向上が図られています。すでに確認試験車の取材記事はたくさん出ておりますので、細かい性能の話はそちらに譲るとして、今回は実際に乗車してみて「いいね!」と感じたところをピックアップしていきたいと思います。

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全座席コンセント付き、更に乗り心地が向上した座席に

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N700S普通車座席

実際に乗車するにあたり何が一番ありがたいかといえば、やはり「全席コンセント搭載」ではないでしょうか。N700Sはグリーン車のみならず全ての座席にコンセントが用意されているため、充電器を忘れさえしなければバッテリー切れを心配しなくてすみます。これまでのように「なるべく端の座席を狙って電源を確保しなければ」と焦ることもなくなるでしょう。Wi-FIも全ての車両で使用できます。

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全席モバイル用コンセント搭載

シートのリクライニングもN700Aから更に進化しています。N700Aとは異なり、リクライニングを倒すと座面がほんの少し沈みこみ、より身体に負担のかからない快適な座り心地を実現しています。

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背もたれと座面が連動して動く機構を採用

座り心地への配慮はこんなところにも……

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ミシン目のような線に注目!

モケットを固定するための素材を座席の中央を横切るように貼ってしまうと座り心地が悪くなってしまうため、人間のお尻の形に合わせてミシン目のようなラインに沿って貼っているとのこと。ちなみに水漏れも検知して濡れている場所にラインが浮かび上がるようになっているのだとか。

座り心地との関係で一つ気になるのが「揺れ」ですが、試乗会の最中は特に気になるような揺れ方をすることもなく、新大阪まで快適に移動できました。移動中の横揺れを抑えるために、N700Sではフルアクティブ制振制御装置を採用しており、グリーン車および揺れやすい1・5・12・16号車に搭載しています(それ以外の号車は全てセミアクティブ制振制御装置)。

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ペットボトルを置いたまま遮光カーテンを下ろせるようになっている
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荷棚には廃車になった700系などの新幹線車両の廃アルミ材を利用している。駅到着前にアナウンスとともに荷棚が光り、忘れ物の防止に一役買う

ディスプレイがパワーアップ、天井も広々と

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N700Sの天井は高く、広々と感じるデザインに

N700Sは車内空間が広く感じられるようにデザインされています。天井中央部に設置されていた照明は間接照明化し、スピーカーも天井から客室上端部に移したことでスペースを確保しました。

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スペックは知っていてもいざ実際に目にするとあまりの大きさに戸惑う従来比+50%に拡大された液晶ディスプレイ この隣に……
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液晶ディスプレイの隣にフルフラットスピーカーが内蔵されている

広くなった天井を改めて見直してみると、さりげなく防犯カメラが設置されていることに気付きます。

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防犯カメラ 車両によって設置場所は異なる

客室内の防犯カメラは2台→4or6台に。デッキ等にも増設されたため、設置台数はN700Aより60台多い165台になりました。指令所への防犯カメラ映像の自動伝送も行えるようになり、非常時にも迅速な対応が可能になったことから、N700Sは従来の車両よりさらに心強い乗り物になったと言えるでしょう。

安全性という観点からもう一点付け加えるとしたら、目には見えないところではありますが、「バッテリー自走システム」も見逃せません。自然災害発生時などの長時間停電時においても大容量のリチウムイオンバッテリにより橋梁やトンネルから安全な場所まで移動することが出来るようになっています。

グリーン車ではリクライニング3秒後を感じてほしい

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ゆとりとプライベート感のあるグリーン車

報道公開ではグリーン車(8、9、10号車)にも乗せていただきました。

座席幅は480㎜。普通車の座席がA・C席440㎜、B席460㎜、車いすスペース部430㎜ですから、普通車よりやや広く感じられます。肘掛け収納テーブルの大きさは従来比+20%に。リクライニングレバーはワンレバー方式。また、ボタン一つで読書灯やレッグウォーマーを利用できるようになっています。読書灯の照射範囲も従来比+70%に拡大しました。

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座席幅のみでなく腰の膨らみにも注目してほしい
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肘掛とリクライニングレバー
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座席中央のスイッチパネルで読書灯やレッグウォーマーを利用できる
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読書灯の照射範囲は+70%

このグリーン車の座席で何に驚いたかというと、リクライニングレバーを押し込んだ後の感覚です。最初は普通のリクライニングシートのようにすうっと倒れていく感じなのですが、倒れ始めて3秒ほど経つと「倒れる」から「沈む」に感覚が変わるんですね。

この浮遊感にも似た感じが楽しくて試乗会中何度かリクライニングしては戻すという行為を繰り返していました。これを体験するだけでもグリーン車に課金する価値はあります。

その他の細かいところでは……

主に座席を中心に見てきましたが、N700Sではトイレの床面積拡大なども行っています。11号車には車いすも入れる多機能トイレや多目的室を設置。車内との完全分煙化を図り3、7、10、15号車には喫煙ルームも設置されています。かゆいところに手が届くような改良が随所に施されていて大変楽しいので、乗車の際はぜひ迷惑にならない範囲で探検してみてください。

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新たに設置された荷物スペース 座席と合わせての事前予約で使用できる
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奇数号車には洗面所がある 照明は調光機能付き
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多目的室は利用者の休養ならびに車いす使用者のために利用される

運用はJR東海のSNSをチェック!

さて、細やかな配慮の行き届いた「N700S」ですが、デビュー当日である7月1日の運用は伏せられています。これは写真撮影などで混雑するのを防ぐためです。

その代わり7月2日以降の運用に関してはJR東海のツイッターなど、SNSアカウント上での情報公開を検討しているとのことでした。まだ確定ではありませんが、もしN700Sの運用が気になるのであればあらかじめリストに入れて確認しておくのがいいかもしれませんね。

暗い話題の多いご時世ではありますが、だからこそ、N700Sのような新型車両のデビューは嬉しいものです。長距離移動が気兼ねなく出来るようになったら、ぜひ新しいスタンダードを堪能してみてください。

文/写真:一橋正浩

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