京王「新型2000系」2編成を増備、京王新宿駅と多摩川駅の駅...の画像はこちら >>

京王沿線の暮らしと移動が、先進テクノロジーの力でさらに快適へと進化します。京王電鉄は総額438億円を投じる「2026年度鉄道事業設備投資計画」を公表しました。

今回の計画では、5号車に大型フリースペース「ひだまりスペース」を備えた新型通勤車両「2000系」の増備(2編成)を柱に、丸ノ内線との乗り換え時間を短縮する「新宿駅改良工事」の本格化、新代田や幡ヶ谷など7駅でのホームドア整備を推進。さらに、井の頭線での自動運転(ワンマン運転)化に向けた実証試験区間の拡大など、安全と持続可能性を追求する数々の施策が並びます。本記事では、車両や駅の具体的なリニューアル内容から、運行システム、AIを活用した業務改革まで徹底解説します。

新型通勤車両2000系増備と既存車両のリニューアル

今回の投資計画で大きく打ち出されたのが、新型通勤車両「2000系」の増備です。
2026年度に2編成を導入する2000系は、幅広い利用者が安全かつ快適に移動できる車両として位置づけられ、5号車には大型のフリースペース「ひだまりスペース」を設けています。
省エネ性能の向上も図ります。2000系では、最新の省エネ半導体「フルSiC素子」を使った新型VVVFインバータ制御装置を採用するとしています。京王は、運転用電力の削減につなげたい考えです。

9000系は1編成をリニューアルし、全車両にフリースペースを設置するほか、握り棒を改良します。8000系は10両編成1編成で、VVVFインバータ制御装置を更新する計画です。

京王「新型2000系」2編成を増備、京王新宿駅と多摩川駅の駅改良工事や井の頭線の自動運転実証、AI活用も推進、2026年度設備投資438億円
通勤車両「9000系」のリニューアル (画像:京王電鉄)

京王線新宿駅と多摩川駅の改良工事

駅施設では、京王線新宿駅の改良工事を進めます。地下2階ホームを東京メトロ丸ノ内線側へ延ばし、新たな改札口を設ける計画で、乗り換え動線の改善を図るとしています。2031年度の工事完了に向け、2026年度は既設躯体の解体工事などを進めます。

京王多摩川駅では、駅前開発にあわせた改良工事を2026年度に終える予定です。

エレベーターの大型化やトイレ改修、ホームドア整備などを進めるとしています。

京王「新型2000系」2編成を増備、京王新宿駅と多摩川駅の駅改良工事や井の頭線の自動運転実証、AI活用も推進、2026年度設備投資438億円
京王多摩川駅改良後イメージ(画像:京王電鉄)

ホームドのア全駅設置に向けた整備

安全対策では、各駅でホームドア整備を継続します。井の頭線では2020年代中頃(~2027年度)、 京王線は2030年代前半にホームドアの全駅整備を行う予定です。2026年度は、新代田駅、幡ヶ谷駅、仙川駅、稲城駅など7駅の整備を進めるとしています。

京王「新型2000系」2編成を増備、京王新宿駅と多摩川駅の駅改良工事や井の頭線の自動運転実証、AI活用も推進、2026年度設備投資438億円
京王電鉄のホームドア整備のスケジュール予定(画像:京王電鉄)

将来のワンマン運転に向けた整備

井の頭線では、ワンマン運転化に向けた車両・設備改修を進め、自動運転の実証試験区間も広げる計画です。
京王電鉄では、鉄道輸送の安全およびサービスレベルを確保しながら持続可能な鉄道事業を目指すため、自動運転設備を活用したワンマン運転を、井の頭線では2020年代後半、京王線では2030年代中頃に実施する予定です。

京王「新型2000系」2編成を増備、京王新宿駅と多摩川駅の駅改良工事や井の頭線の自動運転実証、AI活用も推進、2026年度設備投資438億円
自動運転(ワンマン)化に向けた自動運転設備の導入・改修(画像:京王電鉄)

人間の感覚”に近づく28段階ブレーキ

井の頭線で進む自動運転(ワンマン)化に向けた「ブレーキ制御」の超絶進化は、目を見張るものがあります。従来の自動列車運転装置(ATO)によるブレーキ制御は7段階が一般的でしたが、京王が導入を進めるシステムでは4倍の「28段階」へと細分化。これにより、ベテラン運転士の絶妙なレバー操作さながらの「高い停止精度」と、ガクンと揺れない「滑らかな乗り心地」を機械で再現しようとしています。

笹塚駅~仙川駅間の連続立体交差事業

このほか、笹塚駅―仙川駅間の連続立体交差事業を継続します。この事業は、東京都および世田谷区・渋谷区・杉並区とともに、京王線の笹塚駅~仙川駅間を高架化する事業です。事業が完了すると、笹塚駅から仙川駅間の
約7.2km が高架化され、25カ所の踏切が廃止されます。

京王「新型2000系」2編成を増備、京王新宿駅と多摩川駅の駅改良工事や井の頭線の自動運転実証、AI活用も推進、2026年度設備投資438億円
京王線の連続立体交差事業

2026年度は、引き続き用地取得と、全工区で仮線準備工・高架橋の構築などを進めるとしています。

京王「新型2000系」2編成を増備、京王新宿駅と多摩川駅の駅改良工事や井の頭線の自動運転実証、AI活用も推進、2026年度設備投資438億円
現業職場における業務改善および業務改革の推進

AIの活用での業務効率化

駅においては、AIアバターや遠隔によるご案内システムの導入に向けての検討を進めます。


また、保守業務の効率化・高度化のために、現在は車庫内で目視で行っている列車点検を、屋根上・床下に設置したカメラの映像による点検に置き換えるシステムの導入を推進するとしています。AIが要点検箇所を抽出し、異常の有無を自動判定することで、点検精度の向上、効率化を実現し、作業の安全性につながるシステム構築を目指しています。

京王「新型2000系」2編成を増備、京王新宿駅と多摩川駅の駅改良工事や井の頭線の自動運転実証、AI活用も推進、2026年度設備投資438億円
AIカメラによる車両の外観点検(画像:京王電鉄)

総額438億円という投資は、単なる老朽化対策ではなく、10年後・20年後の未来も沿線住民に「選ばれる京王」であり続けるための、デジタルと土木の粋を集めたアップデートだといえるでしょう。私たちの日常を裏側から支える鉄道インフラの確かな進化を、肌で体感してまみましょう。
(画像:京王電鉄)

鉄道チャンネル編集部
(旅と週末おでかけ!鉄道チャンネル)

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