■【日経平均株価】テクニカル分析 2021年2月28日



日経平均急落。米長期金利急上昇で29,000円を割り込むが、...の画像はこちら >>

■日経平均は1200円超の反落で29,000円も割り込む



2021年2月26日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は前日より1,202円26銭安の28,966円01銭となりました。



終値ベースで29,000円を割り込んだのは今月5日以来3週間ぶり。

また、1日で1,000円以上下落したのは、2012年に始まったアベノミクス相場以降では7回目となります。



大きなきっかけは米長期金利の急上昇です。25日の米債券市場で、長期金利の指標となる10年物国債の利回りが一時1.61%と、昨年2月以来の水準に上昇しました。これまで超低金利が長期間にわたって続いており、それが株高の要因の一つになっていましたが、その前提が崩れたことで投資家の間に不安感が広がりました。



今週の動きはどうなるでしょうか。26日の米株式市場でダウ工業株30種平均は前日比469ドル安の30,932ドルと続落しました。

2日間の下落幅は1,000ドルを超えています。



ただし今週、ここから日本株が急落するとも考えづらいところです。まず金利ですが、25日に1.61%台まで上昇した米長期金利は26日に1.4%台に低下し、ひとまず落ち着いています。



もう一つは、アフターコロナを見据えて、企業では業績が改善傾向にあり、実際に上方修正しているところも多いことです。足元で調整したとしても押し目買いが入りやすい局面になっています。



ただ、米国の金利動向には引き続き注意は必要でしょう。

連邦準備制度理事会(FRB)が金利上昇に対してどのような発言をするのかも注目されます。急激な金利上昇をけん制する姿勢が見えれば、再度、株式が買われるでしょう。逆に要人からこれを容認するような発言が出ると、さらなる下落もあり得ます。



国内株式市場については、金利動向や要人の発言などに注意しながら、当面は、業績のよい企業の銘柄を中心に物色する戦略がよさそうです。中でも、コロナ禍による出遅れ気味の業界については、今が仕込みの時期ともいえるでしょう。



■今週、25日線を回復できるかどうかが注目点



先週の日経平均の値動きをテクニカル面から振り返ってみましょう。

前週末に5日移動平均線をローソク足の実体が割り込み、先週は、それを回復できるかが一つのポイントでした。



実際には、週初22日に窓をあけて上昇して寄り付き、いったんは5日線を回復しますが、終値ではまた下落。祝日をはさんで24日にも陰線となりました。25日は窓をあけて上昇したものの、26日には再度大きく下落しました。



今週以降の展開はどうなるでしょうか。一つ心配なのは、26日の下落により、心理的節目となる29,000円だけでなく、これまで長期間にわたり下値をサポートされてきた25日線も割り込んでしまったことです。



ここが回復できないと短期的な上昇トレンドが崩れてしまいます。今週、25日線を回復できるかどうか注目されます。



下値メドとしては、1月29日の安値(27,629円)になります。ここより下がると、中期的な上昇トレンドも崩れ、目線を下に持たざるを得なくなります。



ただし、このあたりは過去にもみ合って売買も積み上がっているところでもあるので、下抜けするにもパワーが必要です。ここから調整したとしても、しばらくは、28,000円~29,000円の間でもみ合うことも考えられます。



逆に週初に25日線を回復するようであれば、反発狙いでいいでしょう。その場合の目標は、再度の3万円超え、さらに2月16日の高値(30,714円)あたりになります。