「iDeCoは聞いたことはあるけれど実際よく分からない」



「節になるって聞いたけど、何が節税になるの?」



このような疑問を持たれている方は結構多いのではないでしょうか。



そこで本日は10年以上日系大手証券会社で勤務した経験のある私から、iDeCoの制度概要とメリット・注意点について詳しくお話しさせて頂きたいと思います。



■iDeCoの制度概要



iDeCoは別名「個人型確定拠出年金」といいます。自分で拠出したお金を自分で運用して最終的に年金として受け取る制度です。



基本的には、20歳以上60歳未満のすべての方が加入対象です。



iDeCoの掛金上限は、国民年金において第何号被保険者であるか、企業年金などの加入状況によって変わります。具体的には下記のようになります。



■第1号被保険者(国内に居住している20歳以上60歳未満の自営業・フリーランスなど)



  • 上限額:月額6.8万円

■第2号被保険者(主に会社員や公務員)



  • 会社に企業年金がない会社員の上限額:月額2.3万円
  • 企業DCに加入している会社員の上限額:月額2.0万円
  • それ以外の会社員・公務員等の上限額:月額1.2万円

■第3号被保険者(専業主婦(夫))



  • 上限額:月額2.3万円

ご自身がiDeCoにつみたてられる上限金額がいくらになるか、判断しづらい方はiDeCo公式サイト内の「まずは『5秒』でわかるカンタン加入診断」を使うことをお勧めします。



まずは自分のiDeCoのつみたて額上限を理解し、続いて制度への理解を深め、本当に自分にiDeCoが必要なのかを判断していきましょう。



■iDeCoの3つのメリットとは?



ではここからは、iDeCoのメリットについてご説明していきます。



■1)毎月の掛金が全額所得控除になる



例えば、毎月の掛金が1万円で年間12万円の掛金を拠出していると、所得税(10%)・住民税(10%)と仮定した場合は合計2.4万円が年間で節税になります。
ただし、実際の節税額は所得金額により税率が変わるので、必ずしも上記の金額通りにはなりません。



■2)売却益が非課税で再投資される



通常の場合、投資から得られた利益に対しては20.315%の税金が掛かりますが、iDeCoの中で売却をした場合は税金が引かれないので、利益が出た分をそのまま再投資して運用効率を高めることができます。



■3)受取時に控除が使える



最終的に受け取る時は、一時金か年金か選ぶことができますが、一時金の場合は退職所得控除、年金の場合は公的年金控除を使うことができます。



■iDeCoの4つの注意点とは?



ここからは、iDeCoの4つの注意点をみていきます。



■1)60歳になるまで原則として引き出しできない



老後の資産形成を目的とした制度であるからこそ、毎月の掛金が所得控除になる仕組みです。だからこそ、60歳になるまでは原則引き出しが不可になっています。
万一の際など突発的な支出が必要な時に使えない点には注意が必要です。



■2)元本保証ではないものもある



iDeCoで選べる商品の中には運用益が期待できる一方で元本が保障されていない商品もあります。そのため、将来受け取れる年金額があらかじめ決まっていない点には注意が必要です。



節税のためにiDeCoを始めたのに最後受け取る時に、老後まで節税した分以上に損をしてしまった……というケースも考えられます。



■3)金融機関ごとに手数料が掛かる



iDeCoを開設した金融機関ごとに手数料が掛かります。
金融機関ごとに手数料が異なりますので、よく比較した上で加入する金融機関を選択しましょう。



■4)課税所得がない方は所得控除を受けられない



当然ですが、課税所得がない主婦や扶養の範囲内で収入を収めている方などは所得控除の対象にはなりません。



また、課税所得がある方でも、住宅ローン控除やふるさと納税などで既に上手に節税をしている方は、iDeCoによる所得控除の効果を得られにくい可能性があるため注意が必要です。



■無理のない範囲で考える



ここまで、iDeCoの主なメリットと注意点をご紹介しました。



iDeCoの最大のメリットは所得控除ですが、実際に自分の場合はどれぐらいの節税効果があるのかをiDeCo公式サイトの「かんたん税制優遇シミュレーション」で計算してみるのもお勧めです。



ただ、先程お話しさせて頂いたとおり、既に何らかの方法で節税対策をしている方は、想定よりも節税効果を得られない可能性もあります。それも踏まえた上でiDeCoを使うかどうかを検討するのが大事です。



また、原則60歳まではiDeCoに掛けたお金は引き出すことができないので、無理のない範囲で掛金を決めることも重要になってきます。



■まずは情報収集から



本日はiDeCoについてお話しさせて頂きました。



「結局どうすれば良いか分からない」という印象を持たれた方も多いのではないかと思います。



まずはオンラインセミナーや書籍などで情報を集めてみることからはじめてみてはいかがでしょうか。



■参考資料



  • 国民年金基金連合会 iDeCo公式サイト【iDeCoってなに?「iDeCoの特徴」】( https://www.ideco-koushiki.jp/guide/ )
  • 国民年金基金連合会 iDeCo公式サイト【iDeCoってなに?「iDeCoの仕組み」】( https://www.ideco-koushiki.jp/guide/structure.html )
  • 国民年金基金連合会 iDeCo公式サイト【iDeCoをはじめよう「まずは「5秒」でわかる加入診断」】( https://www.ideco-koushiki.jp/start/ )
  • 国民年金基金連合会 iDeCo公式サイト【iDeCoってなに?「iDeCoのイイトコ」】( https://www.ideco-koushiki.jp/guide/good.html )
  • 国民年金基金連合会 iDeCo公式サイト【かんたん税制優遇シミュレーション】( https://www.ideco-koushiki.jp/simulation/ )
  • 資産運用はじめてガイド iDeCo 「iDeCoをやらないほうがいいケースは?始める前にデメリットとメリットを理解しよう」( https://media.moneiro.jp/ideco/ideco-demerit )
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