「投資に興味はあるけれど、何から始めればいいか分からない」と悩む初心者の方も多いと思います。本記事では、無理なく続けられる投資の始め方を解説します。
「将来のお金がなんとなく不安」「投資を始めてみたい」と感じつつも、投資と聞くと、毎日スマホで株価をチェックしたり、難しい経済ニュースを分析したりするイメージがあるかもしれません。しかし、本来の資産形成にそのようなスリルや手間は必要ありません。
今回は、初心者の方に向けて「タイプ別・投資の始め方」を分かりやすく解説します。
投資の前に:安心を確保する「四つのポケット」
どの投資スタイルを選ぶにしても、始める前に必ず行うべきなのが「お金の整理」です。家計のお金を役割ごとに以下の四つに分けて管理することで、マーケットが大きく変動しても心穏やかに過ごせるようになります。
生活費の1.5カ月分程度(普通預金)
病気や失業に備えた生活費の半年~1年分(生活防衛資金)
5年以内に使う予定があるライフイベント資金(結婚、マイホーム購入、教育費など)
上記三つ以外。このお金の一部もしくは全部を「運用(投資)」に回します。
この「1~3」の資金を預貯金などでしっかり確保しておくことが、株価暴落時にも慌てずに済む「心の支え」となります。
希望に合わせた四つの投資スタイル
ここでは投資スタイルとして四つのタイプをご紹介します。
【タイプ1】とにかくシンプルに、ほったらかしで運用したい方
「仕事や家事で忙しく、投資に時間はかけたくない」という方に最適なのが、「全世界株式インデックス・ファンド」への積立投資です。
- 投資対象
たった1本の投資信託で世界の数千社など幅広い銘柄にまるごと分散投資できる、全世界株式インデックス・ファンドがおすすめです。 - 始め方
NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)の「つみたて投資枠」を利用し、毎月決まった額の積立投資設定をします。 - メリット
一度設定すれば、あとは基本的に「ほったらかし」でOK。世界経済の成長という大きなエンジンに乗り続けることで、20年以上の長期運用では元本割れのリスクが極めて低くなるというデータもあります。
【タイプ2】リスクをとりつつ、高いリターンも狙いたい方
「基本の運用は手堅く守りつつ、自分の好きな企業も応援してみたい」というアクティブな方には、「コア・サテライト戦略」という方法があります。
- 投資対象
目安として投資資産の8割以上を、幅広く分散された全世界株式インデックス・ファンドなどに投資し、コア(中核)とします。残りの2割以下をサテライト(衛星)として、個別株やアクティブファンドなど、高いリターンを狙って積極的な投資を行います。また、楽しむための投資として、株主優待目当ての個別株投資などもありでしょう。 - 始め方
コア部分はNISAのつみたて投資枠で着実に運用し、サテライト部分は成長投資枠を使って銘柄を選んでいきます。 - 注意点
サテライト部分は、万が一大きく値を下げても生活に支障が出ない範囲にとどめることが、心の平穏(ウェルビーイング)を保つために重要です。
【タイプ3】定期的にお小遣い(インカムゲイン)を受け取りたい方
「資産を増やすだけでなく、配当金などの現金が手元に入る実感が欲しい」という方(特に50~70代の方)には、「高配当ETF・投資信託」の活用という方法もあります。
- 投資対象
配当利回りの高い株式を集めた上場投資信託(ETF)や投資信託を選びます。日本株、米国株、世界株などを対象とした商品を組み合わせることで分散投資も意識します。 - 始め方
NISAの「成長投資枠」を利用して購入します。 - メリット
資産を取り崩して口数を減らす心理的抵抗が少なく、「お小遣い」のような感覚で分配金を受け取りながら運用を続けられます。ただし、分配金を受け取るとその分の複利効果が薄れる点には注意が必要です。もちろん分配金を受け取って、生活などに使っていくのであれば問題ありません。
【タイプ4】守り重視の「バランス・ディフェンシブ型」
「大きな値動きは怖いが、預金よりは少しでも増やしたい」という慎重な方には、「個人向け国債などの円建て元本保証商品と全世界株式インデックス・ファンドのシンプルな組み合わせ」がおすすめです。
投資商品としてはタイプ1と同じ全世界株式インデックス・ファンドですが、個人向け国債を多めに配分することでリスクを限定的にします。
- 投資対象
投資資産の8割を個人向け国債(安全資産)に、残りの2割だけを全世界株式インデックス・ファンド(高リスク資産)に振り分けます。 - 始め方
個人向け国債は特定口座で、全世界株式インデックス・ファンドはNISAの「つみたて投資枠」を利用して購入します。 - メリット
投資資産全体(例えば300万円の場合)で見ると、全世界株式インデックス・ファンド(60万円)が20%下落しても、全体の目減りは4%(12万円)に抑えられます。債券などを含んだ複雑なバランスファンドを1本持つよりも、「自分の資産に何が起きているか」が直感的に分かりやすく、管理もシンプルです。
成功を支える「仕組み」と「マインド」
どのスタイルを選ぶにせよ、長期的に成功するための共通ポイントは以下の三つです。
コスト(手数料)にこだわる
インデックスファンドであれば信託報酬が年率0.1%を切るような低コストの商品を選びましょう。また、アクティブファンドの場合には手数料がパフォーマンスに見合っているか確認しましょう。わずかな手数料の違いが、20年後、30年後には数百万円の差になることもあります。
非課税制度を最大限活用
NISAやiDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)といった、運用益に税金(通常約20%)がかからないおトクな制度を最優先で活用しましょう。
「利益確定」を急がない
含み益が出ても、使う予定がなければ売らずに持ち続けることが大切です。一度売却して「実現益」にしてしまうと、複利で増えるスピードが落ちてしまいます。また、一度売却したお金を再度投資にまわすタイミングを考えるのは非常に難しい問題です。
投資には、誰にでも当てはまる「唯一の正解」があるわけではありません。自分の価値観に合ったスタイルを選び、一度仕組みを作ったら、あとはマーケットの変動に一喜一憂せず、ご自身の人生を思い切り楽しみましょう。
今日が、これからの人生で一番若い日です。
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