オレンジのA380の就航は「未定」とのことでした。

MSJ開発中止は「いまのところ影響ナシ」

 航空会社のANA(全日空)、ピーチなどを傘下にもつANAホールディングスが2023年6月27日、定期株主総会を実施しました。

ここでは同社の経営陣にむけ、株主からさまざまな質問や要望が飛び交っています。以下はその概要の一部です。

「福岡空港門限問題」ANAの対策は? JALより遅い羽田→福...の画像はこちら >>

ANA機(乗りものニュース編集部撮影)。

――三菱スペースジェット(2023年2月に開発中止が発表)の代替機種について

 スペースジェットについては受領遅延を一定レベル想定したうえで、これまで機材計画を策定してきたので、当面のあいだは、ANAグループにおいて開発中止の影響はありません。発注当時と市場環境が異なることから、今後改めて代替機の検討を進めていく時期に入っていく予定です。

――ANAでは超大型機のエアバスA380「フライングホヌ」を3機保有しているが、果たして採算が取れているのか?A380使用便で、格安運賃を検討するなどしてはいいのでは?

 A380は昨年より復帰し、今後も増便を実施予定です。

一部報道機関では、(2021年10月に納入されたものの、まだ一度も商業運航に投入されていない)3号機がまもなく就航すると報じられていますが、具体的な日にちは未定で、現在検討を進めているところです。

――生産人口が減少するなか、航空機整備はAIやDXといった対応策が全く立たない分野だと思う。このままで行くと将来、十分に機体が整備できる人員が確保できなくなるのではないか。

 整備の現場では、確かに省人化が難しいです。ただ、航空機の信頼性向上で整備を減らすことができるほか、便利なツールもできて、従来より整備作業を楽にできるような工夫を推進してます。この取り組みはスタッフの高齢への対応にもつながります。

また、人的リソースのすそ野を拡大し、外国人のスタッフ採用を進める検討なども進めています。

福岡空港門限」への対策

――福岡空港の運用時間を超えたことで、JAL(日本航空)便が北九州空港へ代替着陸したが、ANAではどのような対策をとっているのか?羽田発福岡行きのANA最終便は、JALよりも遅い時間に出発するが、問題ないのか?

出発空港から離陸する前に、福岡空港の着陸許可を確実に確認する、福岡空港に着陸が確約できない状況であれば、羽田空港を出発しない方針をとっています。また、確実に定刻で出発する取り組みとして、当該便の担当機を前便の到着の影響を受けない余裕のある機材を選ぶ、ドアクローズを前倒しする、空中では運航スピードを上げるなどの工夫を行っています。

 このほか株主からは「(株主配当金が無配だったことを踏まえ)無配ということであれば、空いてる座席を活用して株主に無料、もしくは無料に近いの航空券を配ったらどうか」「海外旅行は、はっきり言って庶民がいける状況ではなくなっている。そこで(2022年、2023年に実施された)国内線どこでも7000円セールのように、驚くようなプロモーション運賃を国際線でも展開してほしい」といった要望や質問が14問、経営陣に投げかけられています。