動画配信者が車内の撮影を巡って炎上騒動を起こすなど、何かと新幹線のグリーン車に関するニュースがネットで取り上げられている。普通車よりも高い料金を支払うグリーン車では、ゆったりと静かに過ごしたい乗客が多く、トラブルが起こりやすい傾向にある。

「新幹線のグリーン車」でリモート会議を続けた男性会社員の末路...の画像はこちら >>

落ち着いて仕事をするためグリーン車に

グリーン車で遭遇した奇妙なトラブルを明かしてくれたのは、都内で小規模なIT企業を経営している小林誠さん(仮名・30代)だ。小林さんは、取引先の会議に出席するため、毎週1度は新幹線を利用している。落ち着いて仕事をしながら移動するために、座席は必ずグリーン車にすると決めている。

「一番多いのは、騒音に関するトラブルです。グリーン車では寝ている人も多く、自分もノートパソコンのキーボードを叩く音がうるさいと、年配の客にキレられたことがあります。なので、いまはグリーン車に乗る時は資料のチェックや読書に使うようにしている」

車内を凍り付かせた迷惑な所業

小林さんが数日前に目撃したのは、目を疑うようなマナー違反だった。当日は、午前中の会議に間に合わせるため、朝早い新幹線に乗車。車内は座席が半分ほど埋まっている状況で、睡眠をとっている乗客も多かった。

「朝だったこともあり、車内は静まり返っていました。途中の駅から乗車してきた30代くらいのサラリーマンが、大騒動を起こしたんです。席につき早々にパソコンを取り出し、カチャカチャとキーボードを打ちはじめた。車内は静まり返っていたので、キーボードの音が響き渡っていました。イラついて咳払いする乗客もいて、車内は一気に緊迫したムードになったんです」

さらに、乗車してきた男性はノートパソコンで作業するだけでなく、驚きの行動に出た。

「キーボードの音が止まったかと思ったら、サラリーマンの話し声が車内に響き渡りました。
なんと、リモート会議をはじめたんです。キーボードの音が響き渡るくらい静かな車内でしたから、通話の声はかなりの騒音に思えた。サラリーマンの席は、自分とかなり離れていましたが、会話の内容がすべてわかるくらい車内に響いていました」

静まり返るグリーン車で突如始まったリモート会議は、終わりそうな気配がなく延々と続けられた。

「話の内容から、会議はすぐに終わらないことがわかりました。すると、業を煮やした他の乗客が立ち上がって文句を言いにいった。マナー違反だとブチ切れ、会議中なのもお構いなしに説教したんです。ただ、他の乗客からクレームが付いても、謝るだけでリモート会議は続行していた。だいぶ神経が図太いようでリモート会議を続けたんです。怒った乗客は乗務員を呼びに行き、直接注意してもらう事態になったんです」

自ら情報を開示していたから…

乗務員まで登場し緊迫感が増した車内だが、男性の暴挙は止まらない。

「乗務員が来て注意されると、サラリーマンは大きな舌打ちを一発かました。その後に、乗務員に逆ギレして、仕事が失敗したら責任を取ってもらえるのかと詰め寄りはじめた。仕事への情熱はアッパレでしたが、さすがにやりすぎだと思い、自分も仲裁に入ったんです。
最終的にサラリーマンはリモート会議をやめたのですが、目的地に着くまで騒ぎは続きました」

悪態を付いた男性には、小林さんが後日、毅然とした対応を取った。

「リモート会議に熱中するあまり、サラリーマンはご丁寧にも自分の名字や会社の名前をはじめ、取引先との情報までしっかり漏洩していた。そこで、問題の会社に連絡して、社員がグリーン車でリモート会議し、騒動を起こしたことを報告したんです。すると、サラリーマンの上司だという方から、詳しく話を聞きたいというメールが届いた。自分は、車内で起きたことを克明に報告してあげました。後日、連絡をくれた上司から謝罪と厳重注意するというメールが届きました。チクりを入れておいてなんですが、はじめに注意された時に大人しくリモート会議をやめておけばよかったのにと思いましたね」

ちなみに、東海道・山陽新幹線には、ビジネスパーソン向けの「S Work車両」が用意されている。「Webミーティングや通話は、まわりのお客様へご配慮のうえ、座席でもご利用いただけます」というサービスも実施中だ。どうしても新幹線でリモート会議をしたい場合は、ビジネス専用車両を選んだほうが賢明である。

<TEXT/高橋マナブ>

【高橋マナブ】
1979年生まれ。雑誌編集者→IT企業でニュースサイトの立ち上げ→民放テレビ局で番組制作と様々なエンタメ業界を渡り歩く。その後、フリーとなりエンタメ関連の記事執筆、映像編集など行っている
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