飛行機内でペットの愛犬と一緒に過ごすことは通常、できませんが、それを実現した「JALワンワンJET」が沖縄へ離陸。さまざまな工夫がなされ、空港も機内も定期便とはまったく異なる、楽しそうな雰囲気に包まれていました。

カーペットやシートカバーも外す徹底ぶり

 機内で、ペットの愛犬や愛猫と一緒に過ごすことはできません(世界的には可能な航空会社もある)。アレルギーなどを考慮してのことで、貨物室に預けることになります。

 そうしたなか2019年4月21日(日)、「ワンワン!」の声が機内に響くJAL(日本航空)の「JALワンワンJET」が、東京(成田)から沖縄(那覇)まで運航されました。機材は、総座席数144席の国際線仕様ボーイング737-800(JA315J)です。

 定期便ではなくチャーター便で、機内ではクレート(カゴ)から愛犬を出すことも可能。愛犬用の席にはビニールのカバーを掛けており、その飛行機は使用後にカーペットをはがしたうえ、シートカバーまで取り外して清掃、脱臭するそうです。

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愛犬と一緒に空の上。沖縄行き「JALワンワンJET」(2019年4月21日、恵 知仁撮影)。

 JALによると、貨物室に預けるのではなく、一緒の席で愛犬と飛行機に乗って旅をしたいという要望に応えたもので、そのため行き先も、飛行機でないと行きづらい沖縄にしているとのこと。

 この成田空港発「JALワンワンJET」は今回で3回目の実施。抽選販売になる状況で、34組(68人と36匹)が沖縄への空の旅を楽しみました。関西空港発の同じく那覇行き「JALワンワンJET」も今年からスタートし、こちらは4月24日(水)に出発予定です。

 なお先述の清掃により、これまで使用後の飛行機でアレルゲンが検出されたことはないといいます。

パイロット、管制塔に「ワンワン!」

 実際に今回、成田発「JALワンワンJET」に搭乗したところ、非日常感あふれる時間、空間だったのが印象的です。

 空港のチェックインカウンター、機内で、いくつも重なり合って響いている「ワンワン」の声。スタッフの胸にはペットの犬の写真が飾られ、搭乗口の床には犬の足跡が……。そして、搭乗口は「I」だったのですが、その表示が「骨」になっていました。

「JALワンワンJET」に乗ってみた パイロット「ワンワン」連呼 搭乗口は「骨」

上空1万メートルからの景色が気になる「もも」ちゃん(2019年4月21日、恵 知仁撮影)。

 この成田発那覇行きの便名は「JL4911」。「よろしくワンワン」だそうです。

「私も7歳のゴールデンレトリバーのオーナーです。本日はサイズオーバーで連れてくることができませんでした(注:体重8kg以内といった制限がある)。ほかにも愛犬家のCAが沖縄までご案内します」

 出発前のCAによる機内アナウンスも、こうした特別なもの。また飛行中、パイロットも「私どもが管制塔と交信するときは英語を使うので、『フォーナインワンワン』と便名を言っております。

成田以来、操縦室でも何度も『ワンワン!』と言っております」とアナウンス。機内では笑いが起こりました。

 飛行中の機内では愛犬用のJALパイロット、CAの制服がプレゼントされ、プロカメラマンによる機内撮影も行われています。

「JALワンワンJET」に乗ってみた パイロット「ワンワン」連呼 搭乗口は「骨」

特別に用意されたわんこ用模擬搭乗券。
「JALワンワンJET」に乗ってみた パイロット「ワンワン」連呼 搭乗口は「骨」

搭乗口を通過するわんこ。
「JALワンワンJET」に乗ってみた パイロット「ワンワン」連呼 搭乗口は「骨」

ボーディングブリッジを通過するわんこ。

 この「JALワンワンJET」は宿泊などを含むツアー形態での実施で(3泊4日)、旅行代金(成田発着)は1名24万6000円から。ペット料金を含む往復のチャーター便航空運賃と3泊のリゾートホテル(コテージ)宿泊代(朝食付き)、レンタカー料金(満タン返却不要)、保険料などが含まれたものです。

 また、イオンペットがツアーの監修をしており、その獣医師も同行。機内では沖縄到着前に、獣医師から熱中症対策などが呼びかけられています。