万博開幕から1年…いまだ燻る「EVバス放置」問題
約1年前に開幕した大阪・関西万博。会期半年を通して約2600万人が訪れ、運営費が最大で370億円の黒字となる見込みです。
無事“成功”に終わった万博。
閉幕後も活用することを想定し、多額の税金を投入して購入したバスが、安全性の問題などで塩漬けにされているのです。
「もったいない」などの声も上がっているなか、今後バスの行方はどうなるのか?長らく万博を取材してきたMBS記者が迫ります。
上空から見える異様な光景 「EVバス」135台が放置
夢洲の大阪・関西万博の会場。現在はシンボルだった大屋根リングが約3割解体され、多くのパビリオンは姿を消し、ほとんど更地になっているように見えます。
しかし、この万博で活躍した「あるもの」が思わぬ形で残されているのです。
鉄道車両の点検などを行う大阪メトロの森之宮検車場。その一角に止められているのが電気で動くバス=「EVバス」です。大阪メトロは台数を明らかにしていませんが、上空から確認するとその数は135台にのぼります。
バスのタイヤには車止めがつけられ固定されています。また、バスの上の方には、鳥のフンのような白い汚れがあり、バスが長い間停められていることが分かります。
中国企業が製造→EVMJ社が輸入→大阪メトロが購入
実はこれらのEVバス、もともと万博会場の中や会場と駅などを結ぶバスとして活躍していました。
中国の企業が製造したものを、福岡県北九州市のEVモーターズ・ジャパン社が輸入し、大阪メトロが2022年度以降に購入したものです。
国土交通省などによりますと、全国各地の運行事業者から「不具合が多い」という情報が寄せられたことで、国交省がEVモーターズ・ジャパン社に総点検を指示。その後、立ち入り検査も行いました。
“自動運転の実証実験”再活用は見送りに「もったいない」
EVバスは万博が終了した後、大阪府内で自動運転の実証実験に使われる予定でしたが、3月末、大阪メトロは”安全性が確保できない”などとして、全ての車両を今後、使わないことを決めました。
(近くに住む人)
「もったいないので何か運用してほしいかなと思いますね、これを使って」
「めっちゃ画期的で、これが万博終わったらここを走るんかなと思っていたから、残念ですね」
大阪メトロの決定についてEVモーターズ・ジャパン社は…
(EVモーターズ・ジャパン社)
「弊社としては再発防止策を進めており、大阪メトロ様に対しては、車両の安全性および安定運行の確保に向けて、改善策や運用面での対応について個別に具体的な提案を行い、客観的に評価を実施する第三者機関を探すといったことも行ってまいりました。大阪メトロ様と弊社との見解が異なっており、大変遺憾に存じます」
購入費用の“半分以上が補助金”国から39億円 大阪府・市から4億8000万円
ただ、問題はバスの安全性だけではありません。
大阪市によりますと、大阪メトロが万博用に購入したEVバスは計150台、約75億円。この購入費用には国から39億円、大阪府と市から4億8000万円の補助金が出ているとされていて、半分以上が税金で賄われていることになります。
万博閉幕後も活用されることなどを想定して補助金を交付したことから、国や大阪府・市は大阪メトロに対して返還を求めることにしていて、大阪メトロは「交付者の皆さまと協議のうえ適切に対応してまいります」としています。
(2026年4月14日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」内『特命取材班スクープ』より)

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