甲子園名門校の歴代ベストナイン~日大三高編
8月5日から始まった第107回全国高等学校野球選手権大会。今年も49の代表校が顔を揃え、連日、熱い戦いを繰り広げている。
昭和初期の甲子園デビューから、名勝負を繰り広げてきた日大三。かつては「春の三高」と呼ばれ選抜で圧倒的な強さを見せ、2000年以降は「強打の三高」として甲子園を席巻した。東京を代表する名門の時空を超えた最強ドリームチームをつくってみた。
日大三 歴代ベストナイン
1 (右)髙山俊
2 (中)並木輝男
3 (一)倍賞明
4 (左)原島正光
5 (投)山﨑福也
6 (捕)坂倉将吾
7 (二)都築克幸
8 (三)横尾俊建
9 (遊)大橋穣
【投打で期待の山﨑福也】
日大三の甲子園初出場は日大三中時代の1938年春。それまで早稲田と慶応(早稲田実、慶応普通部、慶応商工)だけで争ってきた東京の勢力図に割って入る形で台頭。以後、東京屈指の強豪としてその名が知られ、選抜では1962年準優勝、1971年優勝、1972年準優勝と強さを発揮し「春の三高」の異名をとったが、都心の赤坂を離れ、郊外の町田に校舎を移転してからしばらくは苦難の時代もあった。
しかし、OBの小倉全由監督が率いて2001年夏、2011年夏と2度の全国制覇。その間、数多くの名選手も誕生し、夏は今回が20回目の出場。小倉監督退任後の今も「黄金時代」は続いている。
日大三の歴代ベストナイン。まずはピッチャーから決めていくと、ここは現日本ハムの山?福也を選出したい。2010年春の選抜にエースで出場して決勝進出。
ブルペンには、南海で新人王を獲得しNPB通算88勝の佐藤道郎や、1971年春の優勝投手・渡部良克、オリックス、ヤクルトで活躍した2001年夏のエース・近藤一樹、魔球シンカーを武器に2011年夏を制した吉永健太朗など豊富だ。
キャッチャーは、現役NPB屈指の「打てる捕手」として鳴らす坂倉将吾(広島)で決まり。高校時代は2年まで外野手で、2015年春の都大会優勝が最高成績。捕手で出場した最後の夏(2016年)は西東京の準決勝で東海大菅生に敗れ、甲子園出場はかなわなかった。

【甲子園を沸かせた強打者が集結】
内野は、新旧のバランスがとれた布陣が組めそう。ファーストに1962年春準優勝の3番打者・倍賞明、ショートにはのち常勝阪急で名手の名をほしいままにした大橋穣と往年の名プレーヤーを選出。
倍賞は、女優の倍賞千恵子を姉に、倍賞美津子を妹に持つことで知られ、日本大から日産自動車で強打の一塁手として活躍。日産自動車の監督も務めた。
大橋は亜細亜大で通算20本塁打を記録し、ドラフト1位で東映入り。
セカンドは2001年夏の優勝メンバーで元中日の都築克幸、サードは2011年夏に優勝した時の不動の4番で、日本ハムや楽天でプレーした横尾俊建を選んだ。
都築は1番を打った夏の甲子園で歴代2位の16安打、打率は驚異の.561をマーク。横尾は2年時の2010年春にも4番打者として準優勝を経験し、高校通算58本塁打。慶大を経てプロ入り後は「おかわり君」ならぬ「おにぎり君」で親しまれた。
外野手は、2001年夏優勝の主砲で甲子園春夏通算4ホーマーの原島正光、2011年夏優勝の1番打者で明治大から阪神に進み、新人王を獲得した?山俊(現・オイシックス新潟)に加え、1955年夏は外野手、56年春は主将エースで甲子園出場し、のち阪神で2度のリーグ優勝に貢献した並木輝男と、こちらも新旧取り交ぜた布陣で臨みたい。
さらに、西武、ダイエーなどで球団幹部を務め、球界の寝業師と言われた根本陸夫、法大から近鉄で投打二刀流の活躍を見せ、のち大洋、ヤクルトの監督も務めた関根潤三の大御所ふたりがグラウンド外でにらみをきかせ、ベンチで采配を振るのは小倉全由監督。時空を超えたドリームチームは、横綱クラスの戦いぶりを見せそうだ。