ガールズケイリンのGⅠパールカップは「ピリつきが半端ない」「...の画像はこちら >>
 ガールズケイリンのGⅠ「パールカップ」が6月16日(火)から18日(木)にかけて、大阪の岸和田競輪場で開催される。出場選手が東西に分かれて予選を戦う独自の形式が特徴で、日中の開催とあって、初夏の日差しを浴びながら、アツい戦いが繰り広げられる。

 そんなパールカップで昨年キャリア初のGⅠ決勝へ躍進した選手が、竹野百香(三重・124期)だ。通算100勝も達成し上昇気流に乗るデビュー4年目のホープにGⅠ戦線に臨む意気込みを聞いた。

【苦しい状況でも自力で】

――今年は5月上旬に落車負傷もありましたが、直後の開催で優勝とその影響を感じさせず、コンスタントに勝利を積み重ねています。ここまでのコンディションをどう自己分析していますか。

 自分でも、強い選手と少しは走れるようになってきたんじゃないかなと思っています。落車からもできる限りコンディションは戻してこられました。

――2023年デビューで、現在23歳と、まだまだ若手選手と言われるのではないかと思いますが、3月には節目の100勝も達成され、少しずつ気持ちの面での変化も生まれてきているのではないでしょうか。

 デビューしたばかりの頃はいろんなことに気を配っていましたし、レース展開も何通りも考えていました。最近は少し余裕が出てきて、深く考えすぎずに臨めるようになっているので、いい意味で慣れてきたと言えるかもしれません。

――竹野選手は普段の開催から積極的な自力戦法で走っていますし、ご自身のSNSでもより高みを目指すため自力へのこだわりに触れられていましたね。

 そうですね。普段のレースでは絶対に自力を出そうと心がけています。普通開催で自力が出せないでいたら、もっとグレードの高いGⅠでいざ動きたいタイミングになったとしても、絶対に動けないと思うんです。

なので、GⅠ以外の開催では、どれだけ苦しい状況でも自力で行こうと考えて取り組んでいますね。

――そして、GⅠ開催のひとつ「パールカップ」が迫っています。昨年は初となるGⅠ決勝にも乗った(結果は3着)思い入れのあるレースではないでしょうか。

 2024年に初めて出場したGⅠでもありますし、すごく思い入れがあります。一方で去年はパールカップ以外のGⅠで思ったような成績が残せていなくて、今年4月の「オールガールズクラシック」もいい結果ではなかったので、ここでもう一度結果を出せるように頑張りたいです。

――選手のなかには競輪場との相性が気になるという方もいらっしゃるようですが、竹野選手はいかがでしょうか。

 いい結果が出ている競輪場は少し安心しますね。逆に相性がよくない場所だと「この前はこんなことがあったな......」と不安を感じてしまいます。

ガールズケイリンのGⅠパールカップは「ピリつきが半端ない」「笑う空気じゃない」 昨年3着の竹野百香がさらなる高みに挑む
昨年のパールカップ決勝。3着に入った竹野(青・4番車) photo by Photoraid

【パールカップの舞台裏】

――最近は少し気持ちの余裕が出てきているというお話もありましたが、GⅠとなるとその空気はまた特別ですよね。

 GⅠはいい意味で、"ピリつき具合"が半端ないですし、個人的にはパールカップは特にその感覚が一段と強いと感じます。パールカップは人気投票や賞金ランキングでの選抜がなく、選考期間ずっと成績がよくないと出られない(※)ので、普段から勝ちにこだわってコンスタントに成績を残している選手の集まりになるからか、空気も一味違いますね。
※ガールズケイリンのGⅠはそれぞれ選抜基準が異なる。今年のパールカップは、ガールズグランプリ2025で1位~3位となった選手のほか、東西地区別で2025年10月から2026年3月までの6カ月間の平均競走得点上位者など、計28名(東西各14名)が出場できる。

――選手同士で話す内容も変わりますか。

 誰も笑うような空気じゃないですね。レース前は軽く喋って落ち着きたい選手と静かに集中したい選手とで分かれるんですが、GⅠは集中したいタイプの選手が多くてすごく静かです。

――緊張感も高まりますね。

 ただ、私は周りがすごく強い選手ばかりだと逆に緊張しなくなりますね。サトミナさん(佐藤水菜/神奈川・114期)くらい強ければ、「失敗できない」とプレッシャーもあるかもしれませんが、客観的に見て私はまだそこまでの脚はないと思っていますので、GⅠは「やれるだけやって、後はなるようになる」という気持ちもあるんです。

 今の実力で自分のできることをするというふうに考えていますし、それでダメだったらまた頑張るしかないですから。

――名前が出たように、今のガールズケイリンのGⅠでは佐藤水菜選手という絶対的な存在が中心になります。佐藤選手はどんなところが優れていて、どうやって対抗していくべきと考えていますか。

 サトミナさんはすごく仕掛けるタイミングがうまくてレース勘もすばらしいですし、あれだけのレースができる脚もちゃんと持っているので、本当に隙がないですね。正直に言って勝ち方の想像は難しいです。

 自分が唯一他の選手よりも優れていると思えるのは、レース勘だと思いますが、GⅠともなるとそれだけでは勝てないので、あとはパールカップ本番までにどれだけ脚を仕上げられるかを頑張っていくしかないですね。


ガールズケイリンのGⅠパールカップは「ピリつきが半端ない」「笑う空気じゃない」 昨年3着の竹野百香がさらなる高みに挑む
着実に成長を遂げ、GⅠ常連選手となった竹野 photo by Manabu Takahashi

【質へのフォーカスが転機に】

――昨年のパールカップで決勝まで勝ち進み3着に入れたのはそのレース勘がうまく働いたのか、それとも別の要因があったのか、どう自己分析されていますか。

 実は、あの時期はいろんな原因で練習量が落ちていたんです。それまでの自分はおそらくガールズケイリン界でも一番と言えるくらい"量"をやっていたと思いますが、どうしても気持ちが向かなくなってしまって......。

 なので、練習するとなったら短時間で集中してできるよう"質"重視に切り替えたタイミングで、結果的にはそれがよかったのかなという印象です。

――練習内容は具体的にどう変わったのでしょうか。

 一番は、それまではかなりの回数行なっていた街道練習(※)を辞めたことですね。男子選手のGⅠだと多ければ4回も5回も踏み直しが求められるレースになるので街道練習が効果的だと思いますが、ガールズだとあっても2回の踏み直しになるので、ドカンと一発で行ける爆発力がある選手のほうが強いなと感じていたんです。なので、パールカップの前のタイミングで練習方法を変えることにしました。
※公道を走るロードワーク

――竹野選手といえば「街道」と表現して差し支えないくらい取り組まれていた印象ですが、思い切った変化が功を奏したのですね。

 そうですね。実は以前から、ある程度のところで質に切り替えようと考えていました。もちろんガールズ選手でも街道練習での基礎固めは効果的ですが、私は高校から自転車競技をやってきたので、「(基礎は)十分やりきっただろう」という感覚もありました。

結果的にあのタイミングでの変更は、よかったのかなと思います。

――パールカップは6月中旬の開催ですが、昨年に続いて暑くなりそうな予感です。何か対策は考えていますか。

 30度を少し超えるくらいなら私はまだまだ大丈夫ですね。個人的には寒さで筋肉が固まってしまう冬のほうが苦手なイメージです。

――それは頼もしい言葉です。最後にパールカップに向けて意気込みをお願いします。

 今年最初のGⅠであるオールガールズクラシックは準決勝止まりだったので、思い出の地でもあるパールカップでは自分が出せる力を精一杯出し切りたいです。決勝に進んで、3着以内に入れるよう頑張ります。

【Profile】
竹野百香(たけの・ももか)
2002年8月22日生まれ、三重県出身。高校から自転車競技を始め、高校3年時に全日本ジュニアスプリントで2位、500mタイムトライアルで3位となる。高校卒業後に日本競輪選手養成所の試験に合格して、2022年5月に入所。

在所成績1位で卒業する。2024年6月の第2回パールカップに124期で唯一出場を果たし、2025年6月の第3回パールカップでは決勝に進み3着となる。2026年3月には通算100勝を達成した。

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