この記事をまとめると
■他人のデコトラを無断で撮影してSNSにアップする人が増えている



■ナンバープレートを隠していないケースも少なくない



■SNSで見かけるデコトラ動画の問題点について解説する



他人のデコトラを無断で掲載

いま、SNSによる動画の投稿が当たり前の世の中になっている。家族を題材にしたものや、ペットや野生の動物を撮影したもの。はたまたグルメなど、たくさんの人たちがSNSの魅力に夢中になっている。



SNSはリアルタイムで発信できるとても使いやすく便利なツールであるため、利用する人が多いのは素直に頷ける。しかし、便利さや視聴回数を稼ぐことだけに気を取られ、ときには迷惑行為に発展してしまう例も少なくない。たとえ法律的には問題なくとも、道義的に如何なものかと首を傾げざるをえない動画も散見しているのだ。



かくいう筆者は、デコトラ専門誌の編集長を務めている。あまり気づかれていないことかもしれないが、誌面に掲載する現役のデコトラにおいては、ナンバープレートを隠すという作業が必須となっている。デコトラとは、トラックを派手に飾り立てた車両のことを指す言葉。つまりは、改造車だ。近年では車検を取得している合法改造車が多いのは事実だが、なかには違法改造車が含まれている恐れがある。そしてなによりも所有者の個人情報を守るため、ナンバープレートを隠して掲載しているのだ。これはデコトラ雑誌のみならず、改造車を取り上げる専門誌やメディアでは当たり前のことである。



他人のデコトラの「ナンバー」を晒したままSNS投稿! 絶対や...の画像はこちら >>



過去のように、いち個人がナンバープレートだけで所有者の情報を得られることはなくなった。しかし、警察や陸運支局などの機関にかかれば、個人情報などたやすく手に入る。

むしろ、そのためにナンバープレートの装着が義務付けされているのだ。しかし、SNSで投稿されているデコトラの動画においては、ナンバープレートを隠すというケースはほとんど見受けられない。動画の加工技術や専用のソフトが必要となってしまうため、そこまで手がまわらないのも頷ける。



しかし、撮影したデコトラが他人の所有物であるということを忘れてはならない。ナンバープレートから個人情報が割れなくても、おおよその所在地は確認できるし、近隣の住民であれば即座にあそこのトラックだと気付くに違いない。そんなことを顧みずデコトラのイベント会場で撮影した動画を自分のものかのように配信している人たちは、自分の自家用車や自宅を撮影した動画が許可なく発信されたとしたら、どう思うのだろうか。自分が他人の所有物であるデコトラを無断で公開したときのように、大喜びで歓迎するのだろうか。



SNSの使い方に注意したい

「自分のクルマをかっこいいと思ってもらえたから、撮られるわけでしょ。それで怒る意味がわからない」。



これは、過去に動画を投稿して所有者からクレームがきたことがあるという、ある発信者のコメントである。「人のクルマを勝手にとってSNSに公開するな」という至極ごもっともなもち主のいい分に対し、そのような悪態をついているのだ。果たして、そのような人物は本当にデコトラが好きなのだろうか。

本当に好きなのであれば、その業界に迷惑をかけてしまうような行為は、慎むべきではないだろうか。



好きな人だけが、お金を支払って購入する雑誌ではナンバープレートを隠し、不特定多数の人たちが無料で閲覧できる無防備なSNSでは、ナンバープレートを晒したまま公開する。これが逆なら成立するかもしれないが、この現状をよしとしないのは、デコトラ好きであれば当然のことではないだろうか。



他人のデコトラの「ナンバー」を晒したままSNS投稿! 絶対やめるべきとデコトラ誌編集長が訴えるワケ
デコトラのイメージ



人様のクルマを無断で撮影し、あたかも自分のクルマのような顔をしてSNSに発信する。それで再生回数が増えたところで、自分の力でもなんでもない。もちろんナンバープレートをきちんと隠したり、オーナーの了承を得て公開している動画も少なくない。そのような動画であれば問題ないのだが、いずれにしてもナンバープレートを露出させることで、車両のもち主が得られるメリットは何もない。



他人のデコトラの「ナンバー」を晒したままSNS投稿! 絶対やめるべきとデコトラ誌編集長が訴えるワケ
並べられたデコトラ



そのことを理解して、撮る側も撮られる側も危機感を持ってほしい。野菜を切るための包丁は、使い方によっては人を傷つける凶器へと姿を変える。SNSも同様に、便利で快適なツールがいつ牙をむいてくるかわからない。会社のトラックを飾っている人であればなおのこと、他人のトラックを借りているという事実を忘れることなく、人一倍注意をしてほしいものである。

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