この記事をまとめると
■スーパーハイト系軽自動車のクロスオーバーモデルが人気沸騰中だ
■ニューモデルが相次ぎ影の薄い存在になりつつあるタント・ファンクロスにフォーカス
■独自の魅力も多くニューモデルと比較しても魅力的な対抗馬だ
ニューモデル続出で忘れてないですか?
いま、軽自動車界で盛り上がっているのがスーパーハイト系軽自動車の標準車、カスタムに次ぐ第三のモデルである「デリ丸。」人気もある三菱デリカミニ、つい最近登場したスズキ・スペーシアギア、ホンダN-BOX JOYといったクロスオーバーモデルである。アウトドアブームの追い風もあり、アウトドアフィールドに似合い、2~3人乗車であれば荷物もいっぱい積める大空間をもつスーパーハイト系軽自動車のクロスオーバーモデルはまさに旬といっていい。
が、お忘れですか? そのスーパーハイト系軽自動車のクロスオーバーモデルとして2022年10月に、すでにダイハツからタントのクロスオーバーモデルであるタント・ファンクロスが発売され、一定の人気を得ていたことを!!
フロントグリルやバンパーが専用となり、シトロエン・ベルランゴなどにも採用されるクロスオーバー感を増幅させるサイドガーニッシュを追加。

インテリアもタント、タントカスタムとは別物だ。シート表皮に撥水加工が施されるのは、スペーシアギアやN-BOX JOYでも当たり前になっているが、そのシート地は攻めた、オレンジ色の指し色がニクいカモフラージュ柄なのである。
もう、タント・ファンクロスに乗り込んだだけで、冒険に出掛けたくなり、アウトドア気分に浸れるというわけだ。

アウトドア、車中泊で夜を迎えるケースでも、ファンクロスは威力を発揮。何しろ室内灯に加え、荷室部分の天井とデッキ部分にルームライトが追加されているのだ。夜、真っ暗闇のなかで荷物を積み下ろしたりしても作業しやすいことになる。
さらに、LEDランタン(夜の灯りはこちらで)やスマホなどの充電に対応するUSBポートも後席サイドの絶妙な位置(フラットアレンジ時にも適する)に装備されているのだから気が利いている。

もちろん、ラゲッジルームもアウトドア仕様。防水仕様のデッキボードを標準装備し、シートアレンジで後席をフラットに格納した際も、シートバック部分が防水加工されているから、ワイパブルで汚れや水気に強い拡大フラットフロアが出現するというわけだ。

タント・ファンクロスならではの装備も
タント一族は独自のシートアレンジ性にも見るべき点がある。

そして、クロスオーバー系軽自動車唯一の装備がミラクルオープンドア。助手席を前出しして(ここがポイント)、ミラクルオープンドアと運転席側スライドドアを開けば、後席が足もと広々な風通しのいいシートバックテーブル付きテラス席的スペースになるのだ。この感覚はデリカミニ、スペーシアギア、N-BOX JOYでは得られないもの。
そこに純正アクセサリーのカータープ(3万5200円)を張れば、アウトドアライフにぴったりなグランピング施設のような居住空間ができることになる。アースカラーのタント・ファンクロスとカータープの組み合わせでキメれば、見た目、アウトドアの達人である。

ただし、軽自動車にいち早く安全装備や先進運転支援機能を充実させたダイハツ車にして、ACCやレーンキープコントロールなどの機能は、スマートクルーズパックとしてメーカーオプション(ACC、レーンキープコントロール、専用ディスプレイ、ステアリングスイッチ、ETCユニット、コーナリングトレースアシストなどを含む)。

それらはスペーシアギアやN-BOX JOYに標準装備され、スペーシアギアに至っては軽自動車のACC唯一のカーブ速度抑制機能や車線変更時補助機能まで備わるのだから、ちょっと遅れている感はある……。タント・ファンクロスを買い、アウトドアを楽しむなら、アウトドアフィールドへのロングドライブがより快適便利になるスマートクルーズパックは必須のオプションと断言したい。
とはいえ、タント・ファンクロスの顔つきはデリカミニと同様、かなりアグレッシブで個性的。

このところ軽自動車のジャンルでクロスオーバー&スーパーハイト系のデリカミニやスペーシアギア、N-BOX JOYが盛り上がってはいるが、このジャンルのクロスオーバー軽自動車にはタント・ファンクロスもあることをお忘れなく。