ハイパワーなモデルが上位を占める結果に!

最近では「パワーウエイトレシオ(PWR)」という指標を見聞きすることは減っているが、かつてはスポーツ性能を示す代表的な数値だった。多くのクルマ好きは新型モデルが登場するたびに、その最高出力で車両重量を割って、PWRの数値を計算していたものだ。基本的にはPWRの数字が小さいほど車重に対してパワーがあり余っていることを示す。

つまり、鋭い加速が期待できるというわけだ。



さて、今回あらためて現行の国産(ブランドの)スポーツカー14台のカタログスペックを並べ、電卓を叩いてPWRを調べてみた。軽いボディが有利なのか、それとも大パワーが押し切るのか。上位5台をトップモデルから見ていくことにしよう。なおPWR値は昔ながらの馬力で車重を割ったものとしているが、文末に全車のPWRの計算値をPSとkWの両方で掲載しているので、そちらもご覧いただきたい。



1位:日産GT-R NISMO(2.867 kg/PS)

国産スポーツカーの中でも重量級といえるGT-RがPWRランキングではトップ。600馬力を発生するGT-R NISMOが「2.867kg/PS」と国産スポーツカーでは唯一のアンダー3を達成。570馬力の標準車でも「3.088kg/PS」と2位のモデルより優れたPWR値を示す。



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かつては軽さとエンジンパワーのバランスを示すといわれたPWRだが、世界の名だたるスーパースポーツがハイパワー化を進めるなか、パワー番長であることを示す指標となりつつあるのかもしれない。



パワーだけでも軽いだけでもダメ! パワーウエイトレシオに優れた国産スポーツモデルTOP5

2位:ホンダNSX(3.098 kg/PS)

厳密にいえば国産車ではなくアメリカで生産されるNSXは、V6エンジンと3つのモーターを組み合わせたハイブリッドパワートレインのスーパースポーツ。カタログスペックではシステム最高出力として581馬力となっているので、その数値を用いて計算したのがこの結果だ。



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このパワー自体はGT-Rの標準車を上まわっているが1800kgという国産スポーツカーでもっとも重い車体のおかげで2位に甘んじることになった。



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パワー押しのクルマが多いなか軽量がウリのモデルも

3位:レクサスRC F(3.576 kg/PS)

レクサスのスポーツクーペであるRC Fをスポーツカーに分類するかどうかは議論もあるだろうが、市販レーシングカーのGT3を設定していることを考慮してスポーツカーとしてランクイン。この数値となったのはカーボンルーフやチタン製マフラーなどによりボディを軽量化したパフォーマンスパッケージのもの。



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標準車は1760kgとなるのでPWR値は「3.659 kg/PS」となる。



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4位:日産フェアレディZ NISMO(4.338 kg/PS)

国産スポーツカーでもっともコストパフォーマンスが高いと玄人筋から評価の高いフェアレディZが4位にランクイン。GT-Rと同じく、エンジンパワーに優るNISMOのスペックで計算した数値だ。



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なお、標準車の車重は1500kg、最高出力は336PSとなるのでPWR値は「4.464kg/PS」となり、5位のシビック タイプRと逆転してしまう。



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5位:ホンダ・シビック タイプR(4.344 kg/PS)

ここまで後輪駆動メインのスーパースポーツがランクインしてきたが、FFでトップとなったのがシビック タイプR。1390kgのボディに320馬力のターボエンジンというパッケージは、かつてPWRがスポーツカーの重要な指標だった時代の理想といえる『軽いボディに、ハイパワーエンジン』の組み合わせだ。



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ちなみに、ランキングでシビック タイプRの下位を見ると、3リッターターボを積むトヨタ・スープラ(オーストリア製だが国産ブランドということで選んだ)や、間もなく生産終了となることが公式アナウンスされているEJ20エンジンを積むスバルWRX STIといったスポーツカーが名を連ねている。



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ブービーメーカーは64馬力の自主規制に縛られるホンダS660。そのほか1tを切るライトウェイトスポーツカーが下位に沈んでいるが、実際の走行では軽いボディはブレーキングに有利だったりするので侮れない。



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