270kgの増加で10.6%悪化というデータ!
クルマの燃費を考えるとき、クルマが軽ければ軽いほど燃費がいいのは、誰もが経験的に感じているはず。問題は、そのクルマの重さがどのぐらい影響するかというところだ。ECCJ(一般財団法人省エネルギーセンター)が、2リッターセダンを用いて行った実験によると、重量増による燃料消費率(cc/km)が悪化の影響は下記のとおり。
・一般道
110kg増加(大人約2人分)=3.4%
270kg増加(大人約5人分)=8.3%・郊外
110kg増加=5.4%
270kg増加=10.6%・高速道路
110kg増加=3.3%
270kg増加=6.2%
もうひとつ、国土交通省の2020 年度燃費基準を見ると、
車重=971 ~ 1,080 kgのクルマの燃費目標値は、23.4 km/L
車重=1,421 ~ 1,530kgのクルマは、 17.6km/L
車重=1,991 ~ 2,100kgのクルマは、12.7km/L
と車重によって、明確に差が付けられている。
不要な荷物をおろすことは燃費向上に有効
同じく国土交通省が調べた「車両重量別燃費」の表を見ても、燃費は車両重量に反比例していて、ガソリン乗用車の10・15モードの車両重量別平均燃費は、ほぼ上記の燃費基準と同じようなグラフになっていた。
「運動とは慣性に打ち勝つことで、慣性は物体の質量に比例する」とニュートン先生もおっしゃっている。回生ブレーキがついているハイブリッド車は、重量が燃費へ与える影響は小さくなるが、それでもクルマの燃費を大きく左右するのは、重量だと考えて間違いない。
実際のところ20kgぐらいまでの重量増による燃費悪化は、誤差の範囲で収まるにせよ、ちりも積もれば山となる。車両重量そのものは、ドライバーがコントロールすることはできないが、不要な荷物は極力おろし、クルマを軽くするのは燃費向上に非常に有効。燃費と車重の関係は、意外にシビアな関係にあるということを覚えておこう。