この記事をまとめると
■2022年7月の車名別新車販売台数の結果を分析■もっとも売れた新車はトヨタ・ヤリス
■データを読み解くと、ホンダの“攻めの姿勢”が見えた
現在フリードの納期は1~2カ月ほど
自販連(日本自動車販売協会連合会)と全軽自協(全国軽自動車協会連合会)の統計をもとに、軽自動車を含めた(含軽統計)2022年7月単月での通称名(車名)別新車販売台数をまとめると、2022年7月にもっとも売れた新車はトヨタ・ヤリスとなった。軽自動車販売トップのホンダN-BOXにわずか1500台ほどの差をつけてのトップであった。
とはいうものの、ヤリスは前年同期比で80.5%に終わっている。
総合ランキングで10位にホンダ・フィットが入っている。こちらも、改良を控えてのラストスパートといえるかもしれない。
ただ、ライバルであるシエンタの新型も近々デビューするので、フリードはガソリンで1カ月、ハイブリッドで2カ月という、かなり早い納車が可能となっている。ホンダでの販売中核車種となっているので、8月以降は再びホンダ登録車でトップになる可能性も十分ある。総合ランキングで2位となっているN-BOXより納期が短くなっていることからも、9月の事業年度締めでの半期決算セール及び、暦年締めでの年末セールへ向け、かなりねらい目の新車になっているといっていいだろう。
ホンダが往年の“攻めの姿勢”を見せる!
フリードの兄貴格となるステップワゴンは、同クラスでライバルとなるノアやヴォクシーよりもランキングが上となっている。ノア&ヴォクシーを合算した“同クラストヨタ車”で見れば大差で負けてしまうが、大健闘といえるだろう。
トヨタではヤリス・クロスを除くヤリス全般、ルーミーやライズのガソリン車などが、うまくいけば年内納車も可能かもしれないといった状況だが、ミニバン全般の納期は遅延傾向が目立ち、カローラ・クロスのハイブリッドは納期未定となっている。
そして最近では、ハリアーの受注停止が話題になっている。この受注停止の理由について、筆者は次のように聞いている。
改良前、つまり現行モデルのバックオーダーが消化しきれなくなり、生産しきれなかった一部のバックオーダー分がこの先予定されている改良後モデルへ繰り越され、その繰り越しによってすでに改良後2023年の年間生産枠まですでに埋まってしまったというのだ。それゆえ、このまま新規オーダーを取り続けると、改良後モデルを買おうとしたお客のバックオーダーが、改良のさらに先に予定しているマイナーチェンジモデルへと繰り越される事態も起きそうになったので、受注停止の事態になったという。
それでも、自販連による2022年1月から6月まで、つまり暦年締め上半期登録車販売台数をみると、トヨタが全体の約48%を占め“トヨタ一強”を維持している。巨人トヨタの弱みである納期で、往年の“攻めの姿勢”を見せるホンダに、メーカーらしさを感じてならないのは筆者だけではないはずだ。
2022年7月単月通称名(車名)別新車販売ランキング
トヨタ・ヤリス(18679台)
ホンダN-BOX(17105台)
トヨタ・カローラ(13054台)
ダイハツ・ムーヴ(8673台)
スズキ・スペーシア(8485台)
日産ノート(8371台)
トヨタ・ルーミー(8133台)
スズキ・ワゴンR(6767台)
ダイハツ・タント(6485台)
ホンダ・フィット(6462台)
日産セレナ(6359台)
日産ルークス(6197台)
トヨタ・ライズ(6117台)
ホンダ・ステップワゴン(5708台)
ダイハツ・タフト(5576台)
ホンダ・フリード(5462台)
スズキ・ハスラー(5361台)
トヨタ・アクア(5168台)
スズキ・アルト(5106台)
トヨタ・ノア(5010台)
ホンダ・ヴェゼル(4497台)
トヨタ・ヴォクシー(4034台)
日産デイズ(3834台)
ホンダN-WGN(3732台)
スズキ・ジムニー(3323台)
日産サクラ(3319台)
トヨタ・ランドクルーザー(3296台)
スズキ・ソリオ(3264台)
トヨタ・アルファード(3085台)
トヨタ・パッソ(3052台)