びわこボート(滋賀県大津市)のGⅠ開設73周年記念「びわこ大賞」が17日に始まる。3年前のMVPでグランプリ常連の馬場貴也をはじめ、今や随一の強豪支部になった滋賀勢の主力がずらり参戦。
その中、地元勢にも負けない気概でこの一戦に臨むのが、無数の年間タイトルを獲得してきた九州のスーパースター峰竜太(40)=佐賀・95期・A1=だ。「大好き」と公言するびわこ水面では、4年前にこの大会を制覇。それ以来の王座復権を目指す熱い気持ちを聞いた。



■F休みの8月は全国行脚





浜名湖ボートで野田なづき(左)とともにトークショーに出演





 ――フライング休みだった8月は全国各地でトークショー。文字通り東奔西走でしたね。

 「たくさん行ったので、出演回数もすぐに分からないほどですけど、10回は行ったかな。一度のフライング休みの間にこれほど回ったのは初めて。フライングをした後すぐに次々と連絡があって、依頼の件数自体はもっともらいましたけど、日程が重なったところはお断りしなくてはならなくて…。先着順で決めました」

 ――他競技にも呼ばれていましたね。

 「SGを開催中の伊勢崎オートのトークショーに行って、その際にロッカー(ボートレースのピット内に相当)を見学しました。森且行選手に会えたのもうれしかったし、他の選手たちも見て、自分が普段見ているのとは違う世界のプロの姿に、格好いいなって思いましたね。そこで見かけた鈴木圭一郎選手にはものすごくオーラを感じました。その日も勝つだろうと思ったら勝てなかった(2着)けど、その2日後に優勝したのが圭一郎選手(史上最年少のSG全冠制覇を達成)。
ああ、あのオーラは見間違いじゃなかったんだなと思いました」

■ピンチをチャンスに



 ――その中でびわこでも8月22日に「峰祭り」と題したイベントに出演。

 「いきなりハプニングがあったんですよ。みんなに振る舞うためにかき氷機を準備していたけど、壊れちゃって最初から使えなくて、『残念なお知らせがあります』って伝えなきゃいけなかった。でも、ピンチへの対応が一番大事だって関係者にも呼びかけて、特大パネルのプレゼントとか、喜んでもらえる企画を急きょ準備しました。びわこ関係者の皆さんの全面協力もあって、かき氷機が壊れてかえって良かったと思えるぐらいのいい思い出を、ファンのみんなにつくることができたと思います」



 ――ピンチをチャンスに変える機転はさすがスーパースター。びわこはそのイベントだけでなく、7月にはGⅡ甲子園を走ったばかり。

 「地元の馬場貴也さんが優勝しましたけど、自分もすごくいいエンジンを引けていたし、実際、エンジンはよく出ていたので、もう少し頑張りたかったというのが正直なところですね。(予選上位通過がかなわず)準優も5号艇だったし…」

 ――それでもその準優が素晴らしかった。まさに2着をもぎ取るという大熱戦。

 「びわこは本当にずっと大好きな水面なので、何とかしようという気持ちが強くて、それが実って5号艇でも2着に入れて優出できた。やっぱりこの水面が好きだからできたレースなんだなって改めて思えました」



 ――その優出も含めて、今年は8月末までに特別戦(GⅡ以上)で4優出。特別戦Vがゼロでも悠々グランプリ圏内(8月末現在で11位)とはさすがです。

 「タイトルなしでこの位置にいられるのは、安定性という自分の強さを見せられていると思う。
反射神経の衰えはあるし、年齢からくる老いは感じているけど、違う部分でカバーできていると思うし、レーサーとしての総合力は落ちている気はしない。特に、エンジンは引いた素性以上によく出せていると思いますよ」



■「びわこのタイトルが欲しい」



 ――そろそろ年末の戦いも視野に入る秋口ですが、今回のびわこ周年はどんな位置付けですか。

 「この先のことは意識にないです。それよりもびわこでのタイトルが欲しいというシンプルな気持ち。大好きなびわこだけど、1個しか取ったことがありませんから」



 ――2個目奪取への意気込みをお願いします。

 「地元の期待は馬場貴也さんに一番集まるでしょうし、その次は他の滋賀支部勢なんでしょうけど、僕もその次ぐらいには期待してもらえていると信じています。びわこなら取れる自信がありますし、甲子園で勝てなかった分、今回優勝したい気持ちなら馬場さん以上で乗り込むつもりです。〝ババよりミネ〟。今回はこのフレーズを前面に押し出したいと思います。甲子園の準優で見せたようないいレースを、できれば多くの方に本場で観戦してもらえたらうれしいですね」



◆峰竜太(みね・りゅうた)

 1985年3月30日生まれ。佐賀県唐津市出身。唐津西高卒業。登録番号4320。
2004年11月デビューの95期。05年11月にからつで初優勝。GⅠは、09年2月の芦屋九州地区選で初Vを挙げ、70優出19V。びわこでは21年10月に開設69周年記念を制した。SGは17年7月のまるがめオーシャンカップで初制覇し、31優出6V。18年12月には住之江でグランプリを初めて制し、自身初の賞金王にも輝いた。20年12月には平和島で2度目のグランプリV。年間タイトルはMVP2回、最高勝率9回、最多賞金2回、最多勝利2回、記者大賞2回、最優秀新人。171センチ、52キロ、B型。

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